2023.10.14 15:51ウズベキスタンの旅㊳ 地下道の母子マフトーナが去っていく、その姿が視界から消える前に、私も静かに背を向け、歩みを始める。僅かながらも胸の奥に広がる寂しさを、帰国の気持ちに戻す必要があった。さて、これからどうしようか。小雨が交じり合い、地元の群馬よりも一層寒いこの冬の日。疲労と悪天候がテンションを下げ、どこへ行こうとも気力がわかず、半ば途方に暮れていた。歴史博物館の前には「ナヴォイ劇場」と呼ばれる大きな建物がそびえている。雨宿りにでも行こうと決めた。「地球の歩き方」を手に取ると、この劇場はなんと日本人が築いたものだという。簡単に説明すると、第二次世界大戦後、ソ連の捕虜となった日本兵約500人が劇場建設を強制され、高度な木造技術で完成させたという。1966年、ウズベキスタンを襲った大地震で...
2023.10.07 14:13ウズベキスタンの旅㊲ 最後の出会い日本人墓地を後にした私は中心地街へ戻るために、バス停へとやってきた。天気は悪く、曇り空で周囲も決して明るくはない。しかし、まだ12時を回ったばかり。