香港には朝食を外で食べる文化があるらしい。
つまり、外食だ。
だから各家庭、行きつけの「朝食屋」があるらしい。
ぼくもその日の朝も、そんなローカルを求めて7時過ぎから路地を歩き出した。
旅に出ると曜日感覚がなくなってしまうが、どうやらこの日は平日。
登校中の子供たちを多く見かけた。
香港では中学校くらいまで親が必ず付き添って登校しないといけないらしく、そこら中で親子が歩いている。
30分ほど路地を散策したところで良さそうな定食屋を発見した。
中にはおじさんの1人客が何人も座ってなにやら食べているため、どうやら安心して入れるお店らしい。
店先にメニューが貼ってあるので見てみると、高くはない。
昨日の朝に食べたような、ラーメン、サンドイッチ、飲み物のセットらしい。
メニューを見ている間にも客が入って行き、席が埋まってしまいそうなのでぼくも慌てて店内に入り、窓側の席についた。
手を上げると、家族経営なのだろう、店員のおばちゃんがオーダーをを取りに来てくれた。
ぼくのことをすぐに日本人だと気づいたのか、メニューを指差してオーダーすると無言で伝票を書き込み、再び厨房へ戻っていく。
客は黙々と食べ、食べ終われば会計を済ませて去っていく。香港へ来て、こんなローカル食堂を見つけて入れたことが嬉しく、思わず表情に笑みが溢れてしまうがなんとか隠した。
牛肉がのっかったラーメン、目玉焼きのサンドイッチにコーヒー。
実にシンプルだが、日本ではこの組み合わせはきっとないだろう。
どれも簡易的で、ラーメンは間違いなくインスタント・・・。
もし日本でこれを定食屋で食うならせいぜい500円だろうが、ここ香港ドルとしては750円ほどする。
高い!!!
こんなものがそんな高いのか香港は!!
どうした日本円!!!
しかしツーリストであるぼくは朝食兼観光なので、まあ、よしとする。
とりあえず腹も気分も満たされ、会計を済ませてホテルへ戻る。
「CASA HOTEL 」
いわゆるビジネスホテルだったが綺麗で快適なホテルだった。
旅行者にはそれぞれの経済的な問題もあるが、もちろん中には毎日、激安宿を好んで泊まる人もいるし、ドミトリーで十分と言う人もいるだろう。
けれども、ぼくはまず個室でないと体も気も休まらない人間である。
体も気も休まらないということは疲労が回復するどころかより疲れてしまう。
それでは体を休める「宿」としては本末転倒なのだ。
登山でのテント泊でも、快適に「寝る」ことに関してはギアを妥協していない。
寝る=体力の回復、を意味しているし、翌日の行動に大きな影響が出てしまう。
バックパッカーでリュックひとつに全てを詰め込んで行動している身ではあるが、なんとしても個室を確保することはぼくにとって旅の最重要課題のひとつでもある。
部屋を去る時は決まって言葉を残す。
「また、いつか来るよ。ありがとう。」
海外の旅で、おそらく感謝を伝えなかった部屋はない。
これはぼくのマナーであり、ルールなのだ。
ぼくの人生にて、この時、この瞬間しか訪れない大切な時間を共に過ごしてくれてありがとう。
もし縁があるなら、きっとまた来るよ。
レセプションに鍵を返し無事にチェックアウトした後は、再び地下鉄に乗り込み、空港方面へ。
今日は、ポルトガル領だったマカオへ行く。
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