香港島から戻ってきたぼくは、まずは昼間に予約したホテルにチェックインする。
一休みし、不要な物をベッドの上に出して荷物を軽くしたぼくは、再び、今度は地元の人が暮らすローカルな道へ行ってみることにした。
一体何世帯あるのだろう、びっしりと並ぶ部屋からは洗濯物が祭りか何かの飾りのように吊るされ、ここがローカルだと物語っていた。
ただただ歩いているだけで楽しく、住み慣れた日本では決して味わえない興奮がゾクゾクとした説明のしようがない震えで全身を巡る。
明日はマカオへ行くため、香港のメイン観光は今夜が最後となる。
ぼくが小さい頃、香港はまだイギリス領であったし、中国本土に対してはまだ発展途上国というような印象が強かった。
しかし、やはりドルとユーロで世界は回っているのだと思うとため息は否めない。
さて、夕飯は宿の近くへ戻って、ローカル食堂を探す。
大通りに面した中華屋、いや、ここはある意味中華の国なのだから単に食堂なのだろうか。
すぐ近くのテーブルでは年配の男性が大盛りの焼き飯に大盛りの餃子を黙々と食べている。
日本円で800円くらいする。
支払いを済ませると眉間のシワを寄せたおじさん店員がぼくに聞く。
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