始まりの地 香港&マカオへ④

香港島から戻ってきたぼくは、まずは昼間に予約したホテルにチェックインする。


明日のマカオへの移動を考え、バスターミナルへできるだけ近い駅に取った。




レセプションの対応もよく、しかも安く、比較的綺麗で個室シングル、トイレ、シャワー完備。


ベッドも申し分ない。昨夜のゲストハウスと比べると随分寝やすいはず。
一休みし、不要な物をベッドの上に出して荷物を軽くしたぼくは、再び、今度は地元の人が暮らすローカルな道へ行ってみることにした。


日本でよく言うようなパチモノのおもちゃや服がずらりと並び、野菜、肉などなんでも売っている。



一体何世帯あるのだろう、びっしりと並ぶ部屋からは洗濯物が祭りか何かの飾りのように吊るされ、ここがローカルだと物語っていた。



ただただ歩いているだけで楽しく、住み慣れた日本では決して味わえない興奮がゾクゾクとした説明のしようがない震えで全身を巡る。



明日はマカオへ行くため、香港のメイン観光は今夜が最後となる。



まだ、ビクトリア湾の光のショーを見ていないため、地下鉄で湾まで移動。





歓声を上げる多くの観光客たちと一緒になり、旅の記憶の色をまた重ね染めていく。



ショーが終わって湾に沿って歩道を歩くとそこは多くの高級ホテルが立ち並び、そこを歩く人の層も高いことが身なり、振る舞いからも見て取れた。
ぼくが小さい頃、香港はまだイギリス領であったし、中国本土に対してはまだ発展途上国というような印象が強かった。



それが香港は今や劇的な発展を遂げて、東京23区に匹敵するような大都市となっている。


日本はアニメや京都、そして外国人に対しても親切丁寧、ボッタクラないなど、世界的な観光大国であることに変わりはない。


しかし、物価の安さにおいてのみ考えれば、アジアの他国と大きなさは見られなくなってきている。



日本の平和、住みやすさ、快適さは圧倒的世界一だと思う。
しかし、やはりドルとユーロで世界は回っているのだと思うとため息は否めない。

さて、夕飯は宿の近くへ戻って、ローカル食堂を探す。
大通りに面した中華屋、いや、ここはある意味中華の国なのだから単に食堂なのだろうか。


比較的安いので入ることにした。


夕飯の時間にしては少し遅かったためか、男性ひとり客、もしくは若いカップルしかおらず、ぼくもすぐに席に通された。
すぐ近くのテーブルでは年配の男性が大盛りの焼き飯に大盛りの餃子を黙々と食べている。


焼き飯には、いくつかトッピングの種類があるようだったが、一番ノーマルの、大盛りを頼むことにした。食堂なので英語は通じないだろうという勝手な予測と、こんなローカルなところで英語で注文するのが失礼な気がして、慌てて「これをひとつ」という中国語をGoogleで翻訳し、咄嗟に発音を覚え、やってきた店員の、眉間にシワを寄せたままのおじさんに伝えた。


どうやらそれは通じたようだが、「ワン?」とか「ドリンク?」など結局英語で返されてしまい、英語で答えるハメになってしまった。


客が少ないためか5分ほど待つとすぐに焼き飯がやってきた。
日本円で800円くらいする。


まあ、香港の大通りのいわば一等地なのだから仕方ないが物価の安い国に来たというような誤った感覚は完全に捨てなければいけない。


値段のことはともかく、生き返るほど美味かった。



旅の時はいつもろくな物を食わない。だから、一気にカロリーを摂る夕飯はいつも美味い。



ぼくが食っている間にもカップルや男性1人客がやってきた。きっと評判の店なのだろう。



食べ終え、値段の書かれた手書きの伝票を持ってレジへ。
支払いを済ませると眉間のシワを寄せたおじさん店員がぼくに聞く。


「グッドゥ?」


突然、目の前に表れたおじさんの笑顔に、すでに食べ終えたチャーハンの美味さが胃の中で倍増していくことがわかった。美味かったか?と聞いているのだ。


「グッドゥ!!」


そこにさらにベリーグッ!を足して、ぼくは親指を立てた。


心もお腹も満たされ、その日はそのまま宿へ戻る。


部屋は狭いが、トイレもシャワーもベッドも綺麗で、さらにそこに満たされた心があるともう旅にはこれ以上のものは不要なんじゃないかと思うほど満足感の中、眠りについた。


もちろん、翌日のマカオへの移動計画を入念にチェックしてから。


 






おかやんの「とりあえず何でもひとりでやってみる」ブログ。

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