始まりの地 香港&マカオへ⑥


観光客にとって、香港からマカオへの行き方は大きく2つあるようだった。
1つはビクトリア湾から高速船に乗っていく。


これは昔からある方法だ。


2つ目は2018年に開通した海の上を55kmも貫いて走るビックブリッジ「港珠澳大橋」(読み方不明)通る専用バスで向かう。



日本でも「海ほたる」という、当時度肝を抜いたという千葉と東京を結ぶ海上、海底道路があるが、香港〜マカオのこの大型の橋ははるかにそれを凌ぐ規模だ。



ぼくはこちらで行くことにした。価格も船に比べてかなり安く、また、帰路に空港に近いためだ。



ホテルから地下鉄に乗り、空港近くのターミナル駅まで行く。


そこから「B6」番のバスに乗って、マカオ行きの大型バス乗り場へ。



香港はイギリスから、マカオはポルトガルから中国に返還されたが、どちらも中国特別行政自治区という名を使っていて、中国でありつつ、行政上はそうではない。



よって、香港からマカオへいくにはパスポートがいるし、出入国審査もある。
2018年完成のため、チケット購入はタッチパネル。クレカ。
購入し、いざバスへ。



景色を眺めたいので一番後ろの、少し高い位置にある席に座る。



席は7割ほど埋まっているのみだ。ホテルから地下鉄〜バス〜マカオ行きバスまで、あまりにも乗り継ぎが良く、待ち時間なくスムーズに来れたため飲み物を買っている間がなかった。


マカオまで50分ほどだが、日本の5〜6月、梅雨前のような暑さなので、水分が心配だ。


バスは高速で走っていた。


一番後ろに座っていることもあり、サスペンションがよく効いてフワフワした乗り心地を感じることができる。



景色は全く変わらず、ただただ海原の上を何となしに移動している。
ボーッとそれらを目に映す時間がただただ流れていった。



本当に海の上に、水平線まで続くかのような長く長い橋がかかっていて、よくこんな巨大な建造物を作ったものだと感心するが、その、非現実的な情景が感心などという意識は通り越して、ぼくは夢の中にいるような気持ちだった。


どんなところを走っているのか、おもむろにグーグルマップを起動してみる。


が、どうやら海上のため電波がなく、合っているのかどうなのか、おおよその現在地を示しているだけだった。



そしてそれが、何もない海の上なもんだから、自分が存在していないかのような不思議な気持ちになる。



海外にただ1人。今、誰が決めた訳でもない旅ルートを辿っている。
自分で決めた帰国の便にはなんとしても乗らなくてはならない。
そんな、海外への1人旅。


これが、本当はどれだけ勇敢であり、危険で大変なことか。自分でもよく分かっている。



しかし、その実感なく、1人香港へ来て、さらにマカオへ向かっている。
何か事件、事故でもあればまずは言葉の壁、文化の壁などの障壁が一気に隆起し、ぼくの周りを囲み、身動きが取れなくなるだろう。



そういった時がもし訪れた時に、本当の行動力が試されるのかもしれない。
生まれ育った日本では、海外の旅でも培ってきたような高い判断力や行動力、思考力が問われるような機会はほぼない。



逆に言えば、日本でのそんな日常生活や仕事は、ぼくの脳にはとても負担が少なく、楽なのだ。


そうだ、海外の1人旅に比べれば日本での生活など、大抵のことが楽勝だ。
ハイスペックなCPUとメモリを持ちながら、せいぜい二桁の掛け算や割り算をしているようなもんだ。仕事など特にそうだ。



大変なのは、自分外の人間、つまり仕事で他人の機嫌をとったり、気を使ったり、都合を合わせたり、話を合わせたり、そういったことだ。



海外の1人旅では、そういった日本での他人の影響が皆無で、自分1人で全てをこなして行ける楽さがあるのだ。当然、メンタルコントロールも自分としっかり向き合えるスキルが必要だ。これには毎回悩む部分ではあるけれど・・・。



一見、勇敢で危険で大変で、日本での誰かにそう言われても、「あなたたちの相手をする方がよっぽど疲れるし、大変なのだよ」、と心のどこかで感じていたのかもしれない。


だから、海外へ来るとあらゆる全てから解放され、デトックスが行われるのかもしれない。


快晴の空を見上げていると、もうそこへ溶け込んでいってしまいそうになるほど気持ちがいい。


旅のテーマでもある、藤井風くんの音楽を聴きながら、ただただボーっと海原を眺め、バスのフワフワした揺れを感じている。



疲労よりも好奇心と冒険心が勝る旅の中で、このバス移動の50分間は心と体を休める絶好の機会でもあった。

マカオへ到着する頃には改めて気を引き締める。



何が起こるか、どうなるのか、何が待っているのか、全く未知なのだ。
マカオ側に到着し、空港でもないのに入国審査を受ける不思議さ。
具体的には「入境審査」だ。



それを問題なく済ませると、今度は審査場からフェリー乗り場&交通のターミナルまでシャトルバスで再び10分ほど移動する。



その車内にて初めてマカオの景色を見ることになったが、見た目がゴージャスな巨大なホテルが立ち並んでいる。


さて、国営カジノのあるマカオだ。


さて、無事にマカオの地を踏んだは良いが、まず現地で考えることが二つ。


①ここ、船のターミナルからどうやって街中へ行くか。


②マカオの通貨「パタカ」を買うかどうか。

マカオへは、もったいないことだが今回は1泊もせず日帰りで香港へ戻る。明日のお昼には帰国便がある。



そのため、幾度となく調べてきたがマカオでも香港ドルが使えるところも多いとのことだ。



香港ドルを使ってマカオの通貨「パタカ」を買っても良いのだが、日帰りで、しかも飲み物くらいしか買わないのにエクスチェンジするのはもったいない気がした。



なんとか香港ドルを活用しつつ、何も買わないようにして、マカオで過ごそうという、ケチ精神なのか、効率優先精神なのか、とにかく、現地通貨をもたずに街中へ繰り出すことにした。



よって、船のターミナルからは徒歩以外の選択肢はないが、ここマカオはカジノで有名な都市であり、海沿いには世界中の高級ホテルが立ち並んでいて、当然のごとく船ターミナルからホテル行き無料送迎バスが出ているのだ。



ターミナルをウロウロしてみると、タクシー乗り場といくつかのホテルの送迎バスがある。


その中に、「SUNS マカオ」というホテルのシャトルバスが間も無く出るようだ。



調べてみると、高級ホテル街の一角にあるホテルのようで、とにかくそこへ行けばあとは徒歩でもなんとかなりそうだ、と判断。



すぐ前に並ぶ中国人らしき家族について、一緒に乗ってみることにした。









おかやんの「とりあえず何でもひとりでやってみる」ブログ。

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