ウズベキスタンの旅㉖ ブハラの街

ブハラのゲストハウス「Rumi」に到着。


日本の武家屋敷のような大きな門を開けて入ると、コンクリートの庭の奥に二階建てのゲストハウスがあった。さらに建築中の建物もあり、外観で見るよりも規模がずいぶん大きい宿だった。


一階左側は経営者家族の住居となっているようで、ガラスの窓越しに台所やリビングが見え、女性がテレビを見ていた。


一階右側がゲストハウス入り口のようで、宿泊者たちの靴が置いてあり、私もそこで靴を脱いで中に入る。

 




玄関フロアの奥に小さな受付がある。家族経営の宿だ、用事がなければ誰もそこにはいないのだろう。


玄関フロアとリビングがドアでつながっているのでノックをしてみると、気付いた女性が慌てた様子やってきてくれた。


「気付かなくてごめんなさいね」


50代くらいだろうか、親しみやすい笑顔が、なんとかたどり着けた安堵と緊張が交差する興奮状態の私の気持ちを和ませてくれた。


受付を済ませると部屋へ案内してくれた。


てっきり受付のある棟のどこかの部屋かと思っていたら、敷地内の別棟へと歩き、部屋もシングルではなくベッドが3つもある部屋だった。



なぜこの部屋なのかは不明だが、狭すぎるよりはいい。
トイレもバスもまあまあきれいだ。


とにかく一休みする。


荷物の整理がてら、昼飯を食っていないので日本から持ってきた行動食、プロテインバーと柿ピーを食う。


今から思えば東北のような寒さの気候の場所を日々巡って観光しつつ、大したものを食わずによく動けていたもんだ。
30分ほど休んで、いざ街歩きへ。


グーグルマップを見ながら中心地へと行ってみることにした。



この街、ブハラは観光範囲が小さいとガイドブックで読んでいたし、最大の目的地であるサマルカンドの次の都市だったので半ばおまけ観光程度に考えてはいたが、シルクロード交易時代の面影を色濃く残した街並みが残っているとのことで、それを楽しみにしてきた。
そして、それが大当たりした。



宿自体は近代的な大きな道路に面しているのだけれど、大通りを逸れて路地に入った途端、ボロボロの土壁、彫刻が施された朽ち果てかけた木の扉、凸凹のコンクリートが現れ始めた。



両側を民家の小高い壁に囲まれた、車がやっと一台通れる道を進んでいくと、広場に出る。


「ラビハウズ」と呼ばれる池を中心に中世時代の旧市街が広がっていて、当時の神学校(メドレセ)が立ち並んでいた。古い建物をそのまま利用してカフェなどがあり、観光地化されていることはわかるがそれでも初めて訪れる観光客を多いに興奮させてくれる歴史的雰囲気を持っていた。



首都タシケントやサマルカンドでも異国感は十分感じられたが、ここブハラは、異国感にプラスしてタイムスリップ感さえも味わうことができた。


このあたり一帯が中世のテーマパークかのような街並みに気分が高まり、ドラクエの世界に入り込めたかのようで、半ば興奮気味に通りを歩く。
まずは合い向かって建っている2つのメドレセを見学する。



他の都市と違っていることは、良くも悪くも修復がされていない。



サマルカンドではメドレセの中は、きれいな建物として修復されてお土産屋などが入っていたが、ここブハラは物置のような部屋があったり、朽ち果てたような部屋があったりで、通りに面する外観とは少し印象が違い、かといって私には遺跡感がたまらなく魅力的であった。



私の宿は旧市街の外れにあり、逆の外れには「アルク城」という中世の城が残っているため、とにかく大通りを通って旧市街を端から端まで行ってみることにした。



歩いていると「タキ」と呼ばれる、ドーム状の丸屋根で覆われたバザールに差し掛かる。



ブハラは当時シルクロードの重要な交易地であったため、東西より商人たち、民族が集まり様々な物が売られていた。そのため現在のこのバザールも様々な店が並び、さながらドラクエの街のようだ。



とりわけ陶器、彩り鮮やかな生地、スザニと呼ばれる刺繍製品、木工細工、銀細工品、シルクのカーペットは異国情緒たっぷりで私の視線を奪っていった。



バザールを抜けたところで日本語で話しかけられる。


「日本の方ですか?」


刺繍製品を売っているお店の女性だった。


客引きではあったが、流暢な日本語と親しみのある笑顔に惹かれ、店内を見ることにした。


聞けば以前、日本に留学していたことがあるという。


「私の母が作っています」
という、伝統工芸品であるスザニ。


とても綺麗でつい欲しくなるが衝動買いはしないことにしているので、その時は見るだけにした。


また、日本人を知っているからだろう、執拗な売り方をしてこないことにも好感が持てた。


店を離れ、さらに歩く。


「カラーン・モスク」、「カラーン・ミナレット」と呼ばれる塔、さらに神学校であった「ミル・アラブ・メドレセ」が立ち並ぶ。


コロナ、オフシーズン、寒さ、さらに夕刻ということもあり、観光客も少なく、静けさをまとった遺跡群は言葉を飲む美しさで、私はしばしそれらと相対した。


おかやんの「とりあえず何でもひとりでやってみる」ブログ。

やりたい事は悩みながらなんでもやってみる。結果的に楽しんでる!また、何かに特化して書いているわけではありません。 書きたいことをごった混ぜにしてネタをブチ混んで書いていますhttps://www.instagram.com/the_unending_world/?hl=ja

0コメント

  • 1000 / 1000