ウズベキスタンの旅⑰ カラカルパクスタンの女性

 レギスタン広場に3つあるメドレセ(古代の神学校)を巡っていると、おそらく観光客だろう、メドレセの2階のテラスにいる娘を下から母が慣れない手付きでスマホ写真を撮っていた。



そういえばこの親子は他のメドレセでもみかけた。二人で歩いていたから親子だと思いこんでいたが、しかし母と呼ぶには老いが深い気がするな、などと勝手に考えていた。もしかしたら祖母かもしれない。



 同じように私もその子を見上げた。すると、不意に目が合う。祖母に自分のスマホを使わせているのだろう、なかなか写真が撮れず、その子はポーズをずっとキープしなければならず、苦笑いをしていた。それをチャンスだと決めつけて、私もその子にカメラを向けて勝手に撮らせてもらった。



 ようやく下に降りてきたその子は、自分のスマホ見て写真を確認していた。私は思い切って翻訳アプリのポケトークを使ってウズベク語で「君の写真を撮ってもいいですか?」とたずねた。



 海外バックパッカーをしている時、こんな風に突然やってくる機会で写真を撮ってきた。市場や遺跡の売店など、そういう働き口は決まって若い女性だった。けれどもウズベキスタンでは年配の女性ばかりが働いていた。そこに写真的魅力がないわけではない。この子はとても美しかった。



 ポケトークでの会話では、最初は遠慮されたが、撮った写真を送るということで撮らせてもらえることになった。



 たぶん1分間ほどの短時間だった。数枚だけ撮らせもらった。その子も私も祖母を待たせているので慌ただしかった。



 去り際、この辺にすんでいるの?と聞くと、違う、と言う。


遠い、とも言った。聞くとポケトークの翻訳画面に「車で16時間」と出ている。


電車や飛行機ならともかく、車移動の単位で16時間などと聞いたことがなかった私は驚いてしまった。どんな遠くから来たのだろう。その子は英語は全く話せなかったが、唯一、「アイム、カラカルパクスタン」とだけ言った。



 カラカルパクスタン??



 ずいぶん長い名前だな、と思ったが、その子がスマホで表示を見せてくれた。どうやら名前ではなく、国名のようだった。


あとで調べてみたところ、ウズベキスタン国土内に「カラカルパクスタン共和国」という名前の自治区があるとのことで、法律、国家、国旗も制定されているとのこと。
 
 それにしても、日本人と同じ顔つきの子に日本語が通じないとは、なんとも不思議だな、と世界のおもしろさをウズベキスタンで改めて微笑んだ。

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