ウズベキスタンの旅⑩ サマルカンドへ

再び地下鉄に乗り、Kさんが今夜泊まるというゲストハウスまで一緒に戻る。


私は15時台の鉄道でいよいよ、目的の都市「青の都 サマルカンド」へ向かう。


タシケント駅とはまったく別の場所にある「タシケント南駅」に行くために、バックパッカーとしてはやはりローカルバスに乗って行きたかったが、思った以上にKさんと旅談話に花が咲いてしまい、時間が遅くなってしまった。



そのため、Kさんに教わっていたタクシーアプリ「Yandex」を試しということでさっそく使ってみることにした。


英語表記であるが問題はない。


地図上で自分の現在地と行きたい場所を選び、呼び出しするとタクシーが数台選択肢として表示される。



近くにいるタクシーや金額が安いタクシー、あるいはタクシーの大きさなど、自分に合ったタクシーを選ぶと、そのタクシーが自分のところへ来てくれる。


Kさんが泊まるゲストハウスが路地にあったためか、指定したタクシーが地図上で迷っているのがわかりなかなか到着しなかった。ようやくやってきたのはボロボロの軽自動車。


日本でいうならば、昔のmiraだ。
Kさんとお別れする。


昨夜、ゲストハウスで会ったばかりだというのに、すぐに親しくなり、長い間の友人のような感覚になるのは一人旅海外バックパッカー同士にある特別な何かなのだろう。


そしてKさんとも、もう二度と会うことはないことも分かっている。
私にとって旅先の出会いとはそういうものなのだ。


一瞬が永遠になっていくものが私にとって旅であり、儚いものだと認識している。


だからこそ、ある種、中毒性があり、青春のようでもあり、恋にも似ているのだ。


運転手に「サマルカンド南駅」と、今度は「ポケトーク」のアプリを使い、ロシア語で伝える。どうやら伝わったようで、ナビ検索をし始めた。
タクシーが発車し、Kさんが中央で手を振ってくれる景色が遠のいていった。大通りへ出ると、再び不安と期待が激しく混在する「海外一人旅感」が襲ってくる。


Kさんとのお別れに浸っている心の余裕はなく、グーグルマップで位置と進んでいる方向を確認。どうやら合っているようだ。


結局、特に運転手と会話らしい会話もなく、駅へ到着。


アプリで表示されていた金額以上には要求されず、それを渡して「ありがとう」とロシア語で伝える。


運転手は駅のほうを指差して何か伝えてくれた。車庫くらいの小さな建物があり、人が数名並んでいる。きっと、「あれが改札だ」というようなことを伝えてくれたのだろう。


私が降りると運転手は無表情であったが、私に手を挙げながら去っていった。


その、小さな建物に行くと、やはり改札兼、手荷物検査所であり、チケットとパスポートを提示する。空港のような手荷物検査機にバックパックを通し、無事通過。


駅構内に入ると、待合場がある。


日本の駅とはだいぶことなり、ミニ空港のような雰囲気。
実際に、日本の電車のように「駅に行って切符を買えば乗れる」訳ではなく、一日の数本しかない電車に乗るためには事前にHPにて指定席切符を確保する必要がある。



これまた日本と違い、駅の外に切符売場の建物が別にあり、そこで当日に切符を買うこともできるが多くの場合、計画的に切符を買って席を確保しておいてチケットを当日もっていくようだ。



大都市以外の道路はあまり整備されていないウズベキスタンにとって、1駅でも30分くらい離れていて、庶民にとっては電車移動とはそれなりの距離を移動するための手段なのだ。

さて、駅構内。入ったはいいものの、自分の乗る電車がどこで、どの車両に乗るのかはさっぱり分からない。とりあえず時間はあるのでトイレを済ませ、飲み物を買うことにした。


駅の外、ホーム側の出入り口の両側に売店が1つずつある。
日本のキオスクほど品揃えはないが、スナック菓子、飲み物くらいは置いてあった。



小学校高学年くらいの少年が店番をしている売店に行ってみる。
コーラを手にとって、電卓で値段を聞く。6000スム。ついでにチケットを見せて、この電車はどこか、と聞く。


外を指差している。



そういえば、一日に数本しか発車しないのだ。外にすでに停車している電車が私が乗る電車なのだろう。



コーラをバックパックにしまい、外に出て電車を見ると車両番号らしき数字がある。
チケットを確認し、その車両入り口の車掌に聞くと、どうやらこの車両らしい。
さらに指定席を丁寧に伝えられ、中に入る。
私は一番グレードが下の3等車しか空きがなかったため、その4人席のうちの1席を購入していた。
が、席を見て驚く。


てっきり四人席のボックス席だと思っていたら、二段ベッドが2つの「四人部屋」だった。


この車両だけ、寝台列車だった。
どうやら私の席、いや、ベッドは二段ベッドの上らしい。
しかも高さが170センチくらいあり、取っ手もなく、どうやって上るのか。


そこへ下のベッドの客がやってきたので聞くと、壁にU字型のフックがあり、それを90度倒すと足掛けになるので、上るのだという。


うーん、大変興味深い列車だ。





ベッドに荷物を置き、まだ時間があったのでホームを散策する。
発車30分前には改札を通過してください、との記載がチケットにはあったが、発車時刻15分前くらいから客がどんどんやってくる。


そう、この旅は年末12月30日。帰省客がほとんどなのだ。そのため満席。



自分のベッドに戻ると、すでに他の三名がベッドにいた。

15:39分


定刻通り発車。 日本と同じ正確さに驚いた。


ここ、首都タシケントのタシケント南駅からサマルカンド駅まで約4時間半。


到着予定は20:05分


久しぶりのアジア列車旅が始まった。

おかやんの「とりあえず何でもひとりでやってみる」ブログ。

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