後編のスタートです。
なんとか一般登山道へ合流することができたオレとKさん。
人気の山だけあって、登山道でぶっ倒れてゼイハア言っていると、登山者がどんどん登ってくる。
優しそうなおじさんひとり登山者に聞く。
「あのう・・・、何時ころに登り始めましたか?」
「えっと、7時くらいだっと思いますよ。」
7時ころか。
現在、8:25分。
1時間25分で、このおじさんはここまで来た。
オレたちは、出発が5:25分。
ここまで来るのに3時間もかかっている。
単純に、1時間半のロスはしていた・・・。
いや、その時間以上に過酷なルートだった。
とりあえず、六合目展望台なる場所へ来た。
さらに休憩する。
登ってきた道なき道が、眼下に広がっていた。
もうすぐ七合目か。
この辺りで、ほぼ同じ時刻にスタートした若い男子二人とすれ違う。
もう山頂まで行って下山しているという。驚異的なスピード登山だ。
服装も、肌を露出した軽装、リュックもお洒落リュックのみ。
無知と若さの勢いというやつだ。
そういえばオレにもそれくらい無謀な時があった・・・。
人生初登山のこと。
前日夜に、群馬から富士山五合目まで向かい、車中泊。ろくに寝ずに朝6時スタートの富士山日帰り登頂。強烈な高山病。下山は砂利道を走って、1000人くらいごぼう抜き。登りの半分以下のタイムで下りてきた。下山したらそのまま夜は女の子を探しに夜の市街地へ遊びにいく、という今では信じ難い行動をしていた。
その翌日は、魂が抜けたような疲れが襲ってきたのを覚えている。
朝の快晴とは変わって、曇ってしまった。
森林限界を越えた。
ここからひたすら階段が続く。
名峰群をバックに、Kさん。
残雪は厚く、ボードがあれば滑れそうだ。
右端に山頂が見えてきた。
九合目の「ニセ巻機山」。
なんなんだ、そのネーミングセンスは。
九合目から一旦、下ると避難小屋がある。
小屋の前に一瞬、乞食と思うようなオッサンが座っていて、ここに住んでんのかと想像させた。
帰りに中をのぞいたら、結構きれいで、そのオッサンは寝袋を敷いて寝ていた。
登山はメジャーになってきてはいるが、汚い山小屋、汚いオッサン、女性にからむオッサン、それと山の中での女性のトイレ問題が女性登山を遠ざけている要因なんだろうな〜と再確認。
避難小屋の前にて。
右に写るのは50代くらいのおばさん登山者。ひとりで来たようだ。すごい。
左の登山道をこれから登る。
ここに来ると、なぜかスイッチがハイになって、いくら登っても疲れてこない。
なんと、地元の尾瀬で見ることができる水芭蕉が咲いている。
来ました!山頂!
なんか、色々あったし、景色も悪くて、感動がない。
10:26分 登頂まで5時間を要した。
多くの登山者が山頂で、お昼にしているが、
Kさんの当初の希望の「プチ縦走」をすべく、休まず次の山「牛ヶ岳」へ向かう。
おそらく、皆、景色も悪く、また山頂で満足できるため、そこから先へは行かない。
山頂を振り返って一枚。
誰もきていない。
滑れるほどの残雪。気温は高いはずなのにまだ解けずにいる。
あの山まで向かう。
巻機山の山頂からは30分くらいかかる。
結局、どこが「牛ヶ岳」の山頂かもわからず、景色も悪く、しかも吹き上がってくる風で寒い中、昼食に。
急速沸騰コンロ、「ジェットボイル」をデビューさせた。
ここで、ファイト一発。
この時に、水が残り800mlとなっていた。普段なら十分な量だけれど、長距離ということもあり、この後、ゼロになる。。。
再び、巻機山の山頂へ戻る。
避難小屋が見えてきた。
再び、九合目。
八合目付近で休憩をしたが、ここにサングラスを忘れてしまい、15分ほど下山し、気付いて再び駆け上がって取りに行く。
もう今回はそんな無駄が多い。Kさんは、登りの時のサバイバルでサングラスを紛失・・・。
五合目。登りの時は通っていない。
体力、筋力の限界が来ている・・・。
感動の下山。登頂よりも帰ってこれたことに感動。
最初からこの「尾根コース」で登っていれば・・・・。
感動の下山。
最後に、
新しい登山道に足跡を付けるも、いつ転がり落ちるか分からない崩落斜面に自暴自棄になっている
オレの図。
おわり。
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