どんと来い、超常現象。子持山登山。 



なんだかんだ言って、まだ山が登りてえ、と思い始めたクリスマス前。  

かといって標高が高い山は、もう雪が覆ってしまっている。  

ふと「今年登ってみたい山リスト」を確認すると、ひとつ残っている。 子持村の「子持山」。獅子岩という巨石があるらしく、ずっと候補にしていたが行けずにいた。

登山時間も4〜5時間。では行くか。  


県内は、免許を取って運転に慣れた頃に、いたるところをドライブした。

特に好きだったのが吾妻渓谷の川原湯温泉だ。 そこへ行く時に、子持村も通っていたので、なんとなく場所は分かっていた。  南側の登山口は、子持ち神社奥とのことなので、グーグルマップをセット。  

いざ向かうと、高崎はドピーカンの快晴なのに、子持村に入ると雪が舞い始める。  


↓こちらは赤城山。


子持山が視界に入ってきた。




子持ち神社鳥居を過ぎ、しばらく林道を行く。車一台がやっと通れる砂利道だ。


すれ違いはほぼ不可。  ネットの情報通り、登山道への道が土砂災害で封鎖されている。


封鎖手前にオレのタイガー戦車を停める。


先行者は車一台。  空に舞う風花が、差し込む日光に照らされ輝いていた。  山の中は、もう少し舞っているだろうか。

準備をし、出発。  

子持ち神社を過ぎた所にある橋から、奥の橋まで1号〜8号橋と呼ばれる橋があり、本来の登山口である7号橋まで歩く。地図によると、この封鎖付近は3号橋付近。まだ先は長い。


聞いてはいたが、土砂災害でアスファルトが波打ち、大小様々な石がそこらじゅうに転がっている。 



5号橋。





7号橋。到着。

本来の駐車場は、巨石によって見るも無残な場所と化していた。



7号橋を渡り、子持ち神社「奥の院」を過ぎ、



目指していた登山口に到着。

登山開始。


先行者、おそらく二名の足跡が雪上に残っていた。

木道で、すべるすべる。

木の橋を渡ると、、



屏風岩(びょうぶいわ)という巨岩が、見上げる者を食らうかのように立ち尽くしている。


圧倒的な存在感だった。静まり返る山中をさらに、静寂な空間にさせる。


コースには到底見えないが、コース上にいるらしくちょっと安心。

目印のピンクのテープこそあるが、どこを登っていいか分からんのう。




追手に追われる者の形相で、ゼイハア登って行くと、ファイナルファイトばりに画面に矢印が出て来る。

 

矢印の方へ進むと、もう前のステージには引き返せない。






唐突に現れたのが、この「獅子岩」。


冬の風が、雪と共に舞い降りる寒さの中、ひとりで見上げていると巨大生物のようにも見えてきて、恐怖さえ一瞬感じる。



まさか、あそこまで登らされないよな。。。。




その悪夢が、その10数分後には現実になってまうわけですが。



あの真下を通り、獅子岩を迂回しつつ裏側に周り、さらに子持山頂上を目指さねばならない。



雪は積もってはいるがパウダーなので大丈夫だが、先を行く道が消えてしまっていて、目印のピンクのテープを頼りになんとか進んでいく。




↓獅子岩を迂回し、裏側に出る。ここまででもかなりの冒険。





↓ 一番苦手なやつ。 

100度くらいの崖からロープが垂れ下がっていて、それをよじ登るパターン。


昔のファミコンのゲームのキャラがよくやってたな。気持ちが今さら分かる。



ブログ書いておいてなんだが、この前後くらいから、もう記憶が断片的でよく覚えとらん。


「大展望 この先」という看板のほうへ歩いていったら、高所すぎて歩けなくなり、アワアワとその場にへたりこんでUターンしたり、はしごがあるのでなんとか登ってみるも崖っぷちすぎて一歩たりとも進めなかったりと、高所嫌いのオレには難関がいくつも待っている山であった。



そのあと頂上に向かうわけだが、頂上より下山中の老夫婦とすれ違う。70歳近いような気がしたが、とんでもない時期にとんでもない山を登ってらっしゃる。



頂上!!


沼田方面から強風が抜けてきて、寒い!!


サーモス水筒に入れてきた熱湯でカップラーメンを食らい、さらにのり弁を食らう。


赤城山が見えた。


なぜ、オレはこんな一面真っ白で、強風の場所で、ひとり昼飯を食っているのだろう、という登山者にとって決して考えてはいけない哲学が脳裏をよぎり、我に返る前に下山開始。


来た道と同じではなく、「浅間山(せんげんやま)」というのを経由して下山。





↓ポケモンのキャラかと思って、画面上でモンスターボールを投げそうになった。




時々、祠がある。きっと、何十年もここにあるのだろう。



↓「オオタルミ」という場所。



↓体力と寂しさが限界なのに、また登らされてここに。



↓五号橋へ下る分岐にようやく到着。


寒さにも飽き、景色にも飽きてきたこのあたりから、下山まで約1時間オレのショータイムが始まる。


 左手前方には、木の葉が落ちきった枝の隙間から、獅子岩が少し遠くに見えていた。

 夏とは違い、葉がないため空をもよく見える。


 それを殺風景と言えばそうなるだろう。熊も、とっくに冬眠に入ってしまったんだろうか。 

 風も和らぎ、立ち止まると耳鳴りがするほど静かだった。


朽ち果てそうな案内板があった。あと700mで、登山口に帰れる。

ここらでコーヒーでも飲んで一息いれようか。そう思った時だった。



まるでヘビメタのデスボイスのような低い声で、







「 ワオ ワオ ワオ ワオ〜!!」





という声を発してオレは走り出した。




あまりにも、静かなのでおかしくなってみたのだ。


雄叫びをあげる熊と、その熊から必死の形相で逃げる登山者の2人一役を演じながら、下山をするというショータイムのスタートであった。


時々振り返っては熊を確認するという小演技も入れながら、ワオワオと雄叫びをあげ、必死で逃げる。


その間、わずか30秒ほどのショータイムだった。


座るのにちょうどいい倒木を見つけたので、ほっとコーヒーを飲む。


ふう・・・。なかなかショータイムし甲斐のある寂れた山だ。いや、夏は人気の山とも聞く。


兎にも角にも、ショータイム中に人に、、、


いや、


熊に出くわさなくてよかった。





五号橋に帰着。



3号橋付近に止めた車に戻り、着替えを済ませたあと、子持ち神社に立ち寄ってみることにした。


管理の方が、鳥居を拭いていて、鮮やかなな朱色が光り輝いていた。


登山してきました、ということで話しかけてみる。 気さくな方で、色々と教えてくれた。

山開きの時には、このあたりがお祭りになって人もたくさん来ること。

昔は、このあたりも集落があったとのこと。今は、一件の農家を残し、朽ち果てる前の家屋がひっそりと立っているのみ。あとはすべて解体されて空き地になっているとのこと。


人の移り変わりと共に、時代が変われば、この神社も誰も気に止まることもなくなり管理の手がなくなってしまうのだろうか。




神社は、実に立派で、荘厳な雰囲気のある境内を有していた。





次に、帰り際に立派なお寺が目に入ったので立ち寄ってみることに。



境内に、お寺の歴史的背景を記した案内があったので読んでみると、江戸期には何千人もの僧侶が修行をするお寺だったらしい。地図を見ると、「底なしの井戸」というのがあるので行ってみると、










こんな匂いがしないでもない・・・・。


こういった外観でございます。


辺りをキョロキョロしてから、覗き込んでみる。


オレの顔が、、、、



映っているのか・・・?  いないのか・・・?





その後、広い境内の斜面を登って行き、高台に出る。


近所に住んでいるというおじさんと共に、鐘をついて、その日は終了した。


なんとも不思議な一日となった。


おかやんの「とりあえず何でもひとりでやってみる」ブログ。

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