2016.12.10 Sat.
バトルタイム
自宅出発 6:30頃
なんやかんやで駐車場到着 7:30
支度開始〜出発 赤城神社 8:20
黒檜山側 登山口 8:30
黒檜山 登頂 9:50
赤城駒ケ岳 10:50
駒ケ岳側 登山口帰着 11:30
総登山時間 わずか3時間
以前、オレは「碓氷峠」のバトルでオッサンに勝利した。←過去記事
そして、遂にその時がやってきた。
レッドサンズのホーム、赤城山へ行く。
コースはもちろん「赤城山 上り」だ。
バトルを初めて約一年、夏山ばかりバトルしてきたわけだが、その常識が通じなくなる雪山に登る。
雪山なんてのは、スノーボードでさんざ行ってきたのだけれど、登山となると色々なことが違ってくる。
まずはウェア。正直なところボードウェアでもOKですが、見た目が派手すぎるので登山にはちょっと・・・・。 よって、地味目な冬用登山ウェアをコロンビアで上下購入。
また、アイゼンという登山を始める前にはまったく聞いたことのなかった、登山靴にはめる刃を購入。 モンベル社から販売されているチェーンスパイクという低山用アイゼンです。
ネットで5000円くらい。期間限定でTポイントが1000くらい付いた。
その他、持っているスノーボード用品を流用。
思えば、夏山はマラソン着で登り、冬山はスノーボード用品で登る、という低コストさ。
今回、新潟県の駒ケ岳登山で知り合ったKさんと「登り納め」をすべく赤城山の大沼、「おのこ駐車場」にて7:30に待ち合わせ。
久しぶりに赤城方面へと車を走らせる。
あの右側の頂へと向かう。
大鳥居までやってくる。
前を走る、土方の職人が四人も乗った「スズキ エブリー」から火の着いたタバコがポイポイ捨てられて、まだ世の中にはこんなバカがいるのだと怒りとため息が出る。
ナンバーが他県で、車の後ろに旅行バッグが詰められているので、2,3日出張で来ているのかもしれないが、
群馬を汚すなバカヤロウ。
大鳥居を過ぎ、どんどん標高を上げていく。
窓の外の木々が、大きく揺れている。風が強いようだ。
コースマップはこちら。 いや、たいていの人がどうでもいいマップだが。
冬の群馬名物「赤城おろし」という強風で、赤城山頂から街へ向かって下りてくる風。
でも山頂へ行けば風は「おりてくる」ことはないから大丈夫だろう、という安易な考えで凍りつく路面にビビりながらイニシャルDのコース「赤城山 上り」制覇し、駐車場へ着くとこれから台風が来るかのような強風。極寒。
見上げた山は真っ白、雪雲の中。
雲とは思えぬ速さで流れていく。
やべえ、という言葉を活字で使うのは死ぬほど嫌いだけど、使うしかない。 あまりの強風と極寒に「やべえこれ。 これ、やべえ」を連呼。
車の外気温はマイナス6℃と表示。
Kさんは先に着いていたようで、オレはKさんに会うなり、
「今日は無理っすかね〜」と喉まで出かかる。
その前にKさんの
「なんとかなるだろ〜」
という声。
わざわざ新潟の長岡から二時間以上かけて来てくれたんだ、登るしかねえ。
とにかく外にいると体温をどんどん奪われるので、お互い車の中で登山着に着替える。
あまりの寒さに、オレは着替えとして持ってきたヒートテックやカシミヤセーターも中に着込むことにした。
そして、持ってきて大正解だったのがボードの時に被る帽子とフェイスマスク。
もはや見た目は、テレビでよく見る銀行強盗か、テロリスト。
でもそれが風を防ぎ、熱を保ってくれ、先程の寒さがなくなった。
おのこ駐車場、出発。
赤城神社に立ち寄り、安全祈願をする。
神社から、北方向へと徒歩3分。「黒檜山(くろびさん)側登山口」へと歩く。
着きました。
とりあえず写真。
こんな見た目になってたのか。
出だしから急登続き。 けれど、Kさんと話しながら登るのでとても楽しく快適。マイナス6度の寒さだけれど、動いていて体は暖かい。
途中、休憩ポイントで休んでいると、ひとり登山者がやってきて先を行った。
登山口前駐車場で、支度をしていた方だ。
近くで見ると、年齢は20代半ば〜30くらいだろうか。登山初心者のオレから見ても、彼は雪山登山に適していない装備だった。靴はバッシュのようなもの。ズボンはチノパン。上は厚めのダウン。頭にはボンボンが付いた毛糸の帽子。
Kさんがオレに口にした。
「この雪でダウンなんか着てたら、水分吸って、濡れて重くなって凍るぞ。」
歩く場所によっては、横殴りの風雪。オレも同じように感じた。
「靴も、なんかスニーカーのようでしたね」
そして、シャアは言った。
まだ12月で、それにこのあたりは豪雪地域でもないが、雪対応はしっかりしないといけないのに、きちんと初心者なりに調べて来なかったのだろうか。一番外側に身につける服として防水、防風は絶対だ。 その彼はストックも持たずに足の力任せに登っていき、吹雪の中に消えていった。
話しながら登ること、1時間20分、山頂に到着。
雪山でこの短時間で登れるのは嬉しい。
木々には雪の華が咲き乱れ、まさにその華が強風で吹雪いていく異世界。
初期ファイナルファンタジー好きにはたまらない光景だ。クリスタルの世界である。
まさか登山好きとそこが繋がるとは思ってもいなかった。
山頂で写真を撮っていたら、その美しい世界の隅っこで、オッサンがあぐらのような姿勢で「みどりのたぬき」を食らっていることに気付いた。 ↓写真右。
オッサンは「みどりのたぬき」を、まるで美女の裸体をむさぼるかのように夢中になって、一心不乱に食らっている。
アップ画。
「はふー、はふー、ズズー、ズズー。
あ〜うめ〜」
「・・・・・。」
雪山、山頂で、吹雪の強風の中、あぐらで「みどりのたぬき」をひとり食うその姿、それがどこか寂しそうな佇まいで哀愁さえ漂わせ、ここが極寒の冬の山頂ということを忘れさせる。いうならば、まるで終電前の立ち食いそば屋かのようなオーラだ。
オレがもし報道カメラマンであればその写真を、日本文化として世界に発信していたかも分からん。
毎度のことだが、山頂には個性あるオッサンが一人はいて楽しい。本当にもう、楽しみでしょうがない。
谷川岳にも、タコオヤジがいた。
Kさんと共にコーヒーを飲み、Kさんからパンをもらう。しかしパンが凍っていた。なんという寒さだコノヤロウ。
動いていて体は暖かいが、山頂気温は登山口のマイナス6度以上の寒さのはず。そりゃなんでも凍るはずだわ。
小休止を経て、周回コースで赤城駒ケ岳へと下山コースを歩く。
こちらが一般往復コースで、大沼から吹き上がる風を木々が防いでくれて比較的穏やか。木々の霧氷が素晴らしく、幻想的な景色が広がっている。 白と黒とが織りなす世界に、登山者のカラフルな服装が似合い、とても絵になっていた。
前橋や高崎が一望できる。
日本百名山なので、 登山道の整備は良いようだ。 ただし交互通行しかできない。
駒ケ岳側登山口に帰着。黒檜山側、駒ケ岳側、どっちから登っても「おのこ駐車場」はすぐそこ。
下山して着替えて気付きましが、予想以上に汗をかいていて、レインウェアの中にきたユニクロカシミヤとウルトラライトダウンが汗で濡れていました。。。
登山前にいくら寒いからといって着込んではダメですね。しかし何事も経験。学ぶことがたくさんある。
予想以上に早く下山できてしまい、お昼は車内でKさんと仲良く食べました。
初雪山登山、無事に下山でした。 ほとんど雪ではなく、霧氷でした。
いつも思うことだけれど、初めてすることの前は、不安と緊張がある。
でも、たった一歩そこに踏み入れてしまえば、それまでのそういった気持ちなんかすっかり忘れてしまっている。日常の中の、たいていのことはそうだ。皆、ただ言葉にしないだけで。
だからオレは、誰かそういった不安を抱えている人が目の前にいる時、それは誰でも経験することだし、君もそうやって今に至るのだと伝えてあげるようにしている。
目の前にある事実は、変えられないけど、そこに向かう気持ちは変えることができる。
だったら、より前向きのほうがいいに決まっている。
たまに、
あなたは不安とか緊張はしないのか?
と聞き返される。
そんな時には、こう答える。
何度もそんなのばっかり経験してたら、もう日常起こり得るたいていのことは緊張しなくなりました。
なんだか知らないが、オレにはいろんな事が起きてきた。 色んな人と出会った。
そして、そう思えている。
色んなことがない人生なんてないけれど、「色々あったなチクショウ」とちょっと微笑ましく振り返ることでまた次にきっと進んでいる。
次は、寒さと雪で危険なピークを避け、3月くらいにはいよいよ初心者雪山の登竜門、浅間山へバトルしに行きます。
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