2016年 5月28日(土) 群馬県下仁田町 荒船山 「内山峠登山口」グーグルmapナビで行けます。 何年か前、クレヨンしんちゃんの作者が転落死して全国ニュースになり、有名になってしまった山です。 その前後も、あまりにも断崖絶壁のため、不注意により滑落して亡くなってしまう方が出ている山です。崖には近寄りすぎてはいけません。 内山峠登山口 9:50 一杯水 10:50 見晴台(断崖) 11:20 山頂 12:00 再び見晴台(昼休憩) 12:30 内山峠登山口 帰着 14:00 登山時間 約4時間10分(休憩とひとり言含む)
密林の山に突如、まるで海原に浮かぶ軍艦のような、灰色の巨岩が目に飛び込んでくる。
あれが荒船山か。
本当にあんなとこ、登れんのか?
登山口は長野県佐久市に入ってすぐ左手にある。
登山口へ到着すると駐車場にはすでに数台の車が停められていた。
右奥が登山口。
登山者がどこから来てるのかな~と、つい車のナンバーを見てしまう。 今回は、東京、神奈川が多かった。皆、わざわざ遠くから来ている。 群馬は草津温泉を筆頭に温泉大国であり、また富岡製糸場が世界遺産登録され、観光も賑わってきた。 また冬はスキー、スノーボード、夏はレジャーでお客さんが首都圏より来てくれる。 登山ブームの今は、実は登山客もかなり来てくれているのだ。 さっそく、他県ナンバーの、ちょうど今着いたばかりのグループもいた。
グループ、か。。。
そう。。。
それは常にひとり登山のオレには無縁の社会だ。。。
最初のグループ。
大学生っぽいイモ男子二人。オレの一足先に先行した。OK、男二人ならOK〜、OK〜。 達者でな、がんばれよ、イモ野郎、あばよ。最初のコーナーでインからブチ抜いてやるからな、待ってろよ。
毒舌が、調子いい。
よし、次のグループ。
ちょうど登山口の案内板のところで一緒になる。(⇧写真参照)男女のグループだ。会社の同僚なのか敬語で話し合っていて、40代半ばくらいの男性ひとりとちょっと綺麗なアラサーに見える女性2人の三人組だった。服装もばっちり登山で、今流行りの山ガールだ。 登山口に「閉鎖」と看板があるので、「大丈夫なんでしょうかねえ」等と会話になった。 まあ、他にも車がたくさんあるし大丈夫だろうということで登山。彼らが先行した。 (実際、登山道は問題なく通れました。2016年5月現在)
しばし、男女の楽しそうな会話が、前方から聞こえてくる。 小鳥がさえずる、緑生い茂る登山道での男女の楽しそうな会話。
そう。。。
男女の楽しそうな会話。それは常にひとり登山のオレには無縁の「社会」だ。。。
よって、オレは社会不適合者となった・・・。
もしもその時、オレの中の悪魔が目覚めていたなら男の背中にザンギエフ並みのドロップキック⇧をお見舞いして登山道の崖の下に突き落と、、、 いや、、、 「奈落の底」に突き落としていただろうが、 なんとか天使が目覚めてくれたので、まるで社会人の模範になるような礼儀正しいマナーで会話ができてほっとしている。あぶねえあぶねえ。
男女グループは、やはり女性がいると遅いため「お先にどうぞ」と言ってくれ追い越して大学生の後を追うことにした。 大学生っぽい2人組男子は力任せにガンガン登っていき、あっという間に見えなくなった。
見晴台に到着。 避難小屋や、休憩スペースが広く作られていて、大人数登山でもちゃんとお昼と摂る場所がある。そこら中で、登山者が休憩をしていた。
登る前に荒船山の全貌を見たので分かっているが、そこは断崖絶壁。
駐車場は、この写真⇧の道路真ん中あたりにある。
柵などないので、落ちたら300メートルくらい落ちていくことになる。 おっかね~。 けれども、眺望は素晴らしい。 登山の醍醐味は、その絶景にある。 ここから鳥のように飛ぶ事ができたらなあ、といつもぼんやりと空想にふけりながら無心で数分過ごす。 まだお昼まで時間があるため、先に頂上を目指す。
特に眺望もなく、何もないとのことだが、一応最高地点は制覇しておく。 途中、古い石碑などに立ち寄りながら40分ほどかけて、頂上へ。
行ったものの小さな祠(ほこら)一つのみで、眺望もない。あとはゴム杭に手書きで「山頂 お疲れ」とまるでギャグかのように書いてあるのみだった。⇩
ブン投げてやろうかと思った。が、「社会人として模範的なマナーをする」というアビリティをオレは身につけている。 あとから来た大学生も拍子抜けし、すぐに先ほどの見晴台に戻る事にした。 彼らと話すとどうやら、夜に神奈川の小田原を出て、夜中2時にこちらの登山口駐車場に着いて、仮眠していたとのこと。 う~ん、オレもどこか遊びに行くときは数年前はそんなことばっかやっていたなあと思い出す。 見晴台に帰着し、絶景を前にし、さて、お昼にするか、とベンチに座ってノリ弁を食おうとしたら、さっきの大学生が言う。
「こんなきつい山だと思ってなくて、ぼくらお昼持ってきてなかったんで、もう下ります」
???
え~!?
上下の服装こそ、登山っぽくはないが、頑丈そうな登山グツ、その使いこなされた具合からして大学のワンダーフォーゲル部かなと想像していただけに、にわかに信じ難かった。 いや、仮に「ど素人のイモ野郎」だとしてもお昼くらいは持ってくるだろう。。。 みんな絶景を前に食べるのを楽しみにして来てるんだから。。。 それに、きつい、といいながらもガンガン登っていたけどな。。。 そういえば、飲み物もスポーツドリンクじゃなくて、登山には合わなそうな甘そうなミックスフルーツジュースをがぶがぶ飲んでいたなあ・・・。 もしかして登山靴は、誰かの借りたのかもな。
昼を済ませ、再度絶壁部分へ行ってみると各方面の登山口から登ってきた人々がお昼を食べていた。 登るときに一緒だった男女グループが到着していた。
頂上はあきらめて、ここでお昼にするという。
気休めに「頂上はなんにもなかったですよ」と伝えておいた。
終始、男性とだけ会話を交わしていたが、隣に立っているアラサー女性2人の物珍しそうな視線を感じていた。
視線ってのは、けっこう語るもんだ。
ひとり登山してるのが珍しいのだろうか。
・・・何見てんだコラ。 見せもんじゃねーぞ。
もしその時、オレの中の悪魔が目覚めていたら、男を「バーチャファイター」のウルフ並みのジャイアントスイングで場外に、、、、
いや、、、、
荒船山の「絶壁の外」に放って一発KOをねらっただろう。
毒舌が調子いい。
「では」と告げると笑顔で会釈だけされた。 1時頃に下山を開始して下っていたら、登ってくるカップルとすれ違った。彼女のほうはだいぶつらそうだった。 「こんにちは~」 とだけ笑顔で挨拶を交わした。 しかし、かなりの疲れ様だったが、大丈夫だろうか。。。 いや、、、、 大丈夫じゃなくていい。 カップルで来るからそんなことになるんだよバカヤロ、あんまなめてんじゃねーぞこのヤロー。 よし、いい具合の毒舌だ。
駐車場に戻ってくると、車はだいぶ少なくなっていた。
帰り際にまた、荒船山を見上げた。青空を背に、密林の海をただよう軍艦がそこにあった。
短時間で登れて、素晴らしい絶景が見られる。人気の山というのが分かりました。
また、いつか来ます。 みなさまとお会いできて本当によかったです。
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