2016年 7月30日(土)
自宅 7:00出発
谷川岳ロープウェイ駅チケット売り場 8:50
スタート地点 天神平駅 9:10
避難小屋 9:50
天狗の溜まり場 10:25
肩ノ小屋 11:00
トマの耳 11:05
オキの耳(昼飯andタコ親父発見) 11:25
下山開始11:45~
天神平駅 13:50
ロープウェイ駅帰着 14:10
ロープウェイ駅から往復の登山時間 約5時間(休憩含む)
いつ谷川岳へ行こうか、ここのところずっとねらっていた。 7月中には谷川岳山頂を制覇して、清々しく8月を迎えてやろうと思っていたのに、連日の曇りや雨でいつになっても梅雨が終わらない。 ようやく梅雨明けが発表され予報も晴れが続く。
よし、明日行こう。 7月の最終土曜だった。
翌日、忘れ物がないようにチェックはしたが、はやる気持ちで玄関を出てしまい、登山靴を忘れ、日焼け止めを忘れ、3分後にまた帰宅。ようやく向かい始めた。向かう車の中は気合い入れのため、ひとりカラオケ。バンドをやってた頃の曲を歌う。
オレの少ない友人に、川島さん、という人がいた。年は40歳くらい離れていた。21歳の頃、バイト先で知り合った元気なパートさんだった。
コーヒー好きだったり、車好きだったり、旅行好きだったりして、何かと話が合う人だった。川島さんは登山も好きで、若い頃はいろんな山に登ったんだよ、と言っていた。
当時登山なんてしないオレに、谷川岳は近くて簡単に行けるから、ということで、一緒に行こう、と約束をしていたことを思い出す。でも結局、一緒には行けなかった。
川島さんはひと足先にあの世に行ってしまった。原因が定かではない、若すぎる急死だった。
あれから何年経ったのか、約束していた場所にようやく登る気になった自分が少し誇らしい。
梅雨明けで夏が始まり、高速が渋滞しているかと心配したが、大丈夫だった。関越道、水上インターで降り、ほぼナビの予定通りの時間で、「谷川岳ロープウェイ」の立体駐車場に到着した。 駐車料金500円を手渡しで支払う。う~ん、ちょっと手前の第二駐車場ならタダだったら人いなかったのに。 着替えを済ませ、三階のチケットカウンターへ。
大人ひとり、ロープウェイ往復2060円。なかなか高い。 さて、いざロープウェイへ搭乗。だいぶ並んではいたが、ロープウェイがどんどん来るので、どんどん運ばれていく。
ロープウェイの窓から望む夏の谷川岳。
オレは、秋の紅葉よりも夏の緑が好きだ。
きっと、夏休みが近づき、いざ始まったあの時の、子供の時しか感じることができない夏のあの高揚感の記憶が脳裏に染みこんでいるんだろう。夏の緑や空を見ると、これから夏が始まるんだ、というわくわく感を大人になった今も思い出すことができる。
ロープウェイ終点、天神平駅。
冬はスキー場のため、夏場の今はそのコースが丸見えになっている。 さらにお金を払えばもっと上までスキーリフトに乗って行けるが、まだまだ元気な体で登山にきた身分なもんで、さすがにここからは歩いてすすむ。もちろん中にはリフトに乗る方もいるし、観光で来て乗る方もいる。
時間をかけて準備運動をし、アップを兼ねてゆっくりと歩き始める。
登山を一緒にできる友人などいないのだが、そういうやつに限ってひとりで出かけるのが好きなもんで、ひとり登山ってのはそれなりにいつも楽しい。 (まあ、男友達と行ったほうが数倍楽しいだろうけど) リフト頂上からの登山道と合流し、整備された登山道をいく。
最近、登山道なんてよく分からないようなマイナーな山を登り、まさかの奥深い山の中で迷子になった。GPSがあるので帰れないってことはないが、どちらを向いても同じ景色だし、「方向を見失う」ことなど日常生活でそうないもんで、気持ちは焦るものです。。。 しかしさすが夏の谷川岳。登山者で登山道が渋滞するほどの人気の山、迷子になることはない。
しばらくして避難小屋に到着。
みな、休憩していたので、オレも水分補給をし、すぐ出発。
男のひとり登山者ってのは、体力まかせ、力任せにガンガン登っていくもんで、グループをどんどん追い越していく。
女性ひとりってのは、ほとんどいなかったが、男ひとりってのはかなりいたように思う。 ロープウェイ駅からしばらく登ったところまでは晴れていたが、頂上に近づくにつれ、雲が流れてきた。雲の中に入り、視界は50mくらいになる。山の中の視界50mはかなり視界不良に感じる。なにしろ景色を楽しみに来ている面もあるのに、ほぼ登山道しかみえないからだ。
↓「天狗の溜まり場」は、登山の「おっさん達の溜まり場」となっていた。
ひたすら歩き「肩ノ小屋」に到着。
そこらに座って休んでいる人々のぐったり具合が、まるで難民のように見えてくる。
休憩せずそのまま通過。 ここから結構しんどい上りとなる。 が、スローペースになる人続出の中、オレはむしろ誰もいない木製階段をダッシュで駆け上がってみた。
数秒後、「血まみれになりながらも、敵のアジトからなんとか助けを求めて主人公のとこへ帰ってきたサブキャラ」のようにフラフラになって倒れてしまいそうになった。 登山でダッシュはダメです。まあ、それをトレイルランニングと呼ぶ競技もあるのですが。登山マラソンなんてのもある。
⇧ 西黒尾根コースからの道と合流。鎖場のためかなり急なコースとのこと。
ヒーコラ言いながら、最初の頂、「トマの耳」に到着!
写真に収め、水分補給し、隣りの「オキの耳」へ向かう。 その道がよく谷川岳の紹介で使われる写真の尾根だった。
最初曇っていたが、すぐに雲がどいた。↓ 数秒でまた曇る。
落ちたらどこまでも転げ落ちていきそうな尾根を歩き、時には道が細いためにすれ違い渋滞になったりしながら「オキの耳」到着。
岩場のせまい頂に登山者が押し寄せたもんで、かなり混雑していた。
それでもお昼はここで、と決めていたので適度な石を見つけて座る。
登山には毎回コンビニのノリ弁なのだが、やはりうまい。きっと頂上で食べるものはそれが何であろうとうまいんだ。
汗だくで到着したもんで、かなり暑いんだけど、中にはガスでお湯を沸かし、カップラーメンを食べる人もいる。ここでラーメンをたべる、という気分の問題なのだろうが、ちょっと暑い物はさすがに勘弁・・・。
と、すぐ3メートル先に、でかいザックのオヤジが座って湯を沸かしている。
ザックの大きさからして谷川縦走(山から山へと渡り歩く登山)なのだろう。年は、、、、75はいってる。日焼けと暑さで真っ赤になった顔、それにタオルを頭上からアゴにかけて巻き、まるでドジョウすくい状態。
それで、
「アツッ! アツッ!」
といいながら湯をカップラーメンに注ぐもんだから、ゆでダコに見えてきて、それからオレは呼称をオヤジからタコオヤジ に進化させた。
タコオヤジは、緑美しい景色が見える谷川岳の山頂でラーメンをすする音を
「 ズズー! ズズー! 」
と下品に響かせながら喰らいつき、若い女性組や、母娘の登山者に
「どっからきたん? え?」
と話しかけては煙たがられていた。
さらには、「谷川岳 山頂」の標識の真後ろに座っているもんだから、記念写真を撮る人の写真には全て背景にタコオヤジがラーメンを喰らう姿が映ることになるのだ。
オレの写真にもしっかり背景に映っていた。(ちょうどかがんでいて、半身で済んだが) とにかくオレは、ラーメンを喰らうタコオヤジを背景に登頂者が記念写真を撮るその光景に笑いをこらえながらノリ弁を食っていた。
いや、、、
決して笑いものにしているわけでもない。
こういう人とは友達になれてしまうタイプなんだオレは。 川島さんもそうだった。
人の目なんて気にせず、なんでもやってのけた。なんていうか根っからの気性の荒い群馬県人。だから時折、そういうのが苦手な人からは怪訝な目で見られたもんだ。 話してみたいなあ。
今から思えば、タコオヤジに話しかけておけば良かったと思う。絶対、おもしろかったろうに。この年齢で、かなりの重さのザックをかついで、ひとりで縦走をしている。知り合いになれば色々教えてもらえたろうに。知っている方いたらぜひ連絡ください。
でも、またきっとどこかで出会うだろう、この長い旅路のどこかで。
そして下山。 2時、3時でまだ登ってくるツアー客、しかも高齢者の姿がたくさん見られた。
ガイドらしき人がいるが、その時間から頂上まで行って、5時の最終ローウェイに間に合うのか疑問だった。おそらく山小屋泊という予定なんだろうが。
しかし、中にはガイドと相談して断念して、引き返す方もいた。
谷川岳、子どもからお年寄りまで登れる人気のある山ですが、やはり普段運動をしていない人はかなりきついです。それにどんな登山でもそうですが、本来、天候や安全、疲れを考慮して早めの登山と下山は心がけないといけません。
オレはいつも遅くても「12時には山頂、そしてお昼、ゆっくりしてから下山」くらいの計画でいつも日帰り登山しております。まあ、家から車で1時間~1時間半圏内にたいていの山があるので、行きも帰りも時間はあまり気にならないのですが。
今年も42.195㎞を走るフルマラソンに向けてトレーニングを開始したオレにとっては、ロープウェイを使っての谷川岳登頂は「弁当をもって遠足」程度の体力で終了した。
頂上手前で合流する、麓から登ってくるコースもありますが、鎖やがけ場があるそうです。次回、誰かを誘って来れれば挑戦したいコースです。
川島さん、オレ、谷川岳行ったよ。 一度くらい、二人で登山したかったな。
また、いつかそっちの世界で会おう。
次は、新潟県、駒ケ岳に行ってくるぜ。
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