この記事の内容。
一日目
自宅20:00〜ラクーンシティ〜八ヶ岳山荘到着22:50 駐車場にて車中泊
二日目
5:00起床〜6:00出発〜7:00赤岳山荘(登山口)〜9:20行者小屋到着〜赤岳へ。
2018年 10月12日 (金)
夜8時 、夜闇の中、オレは八ヶ岳へと車を走らせていた。
グーグル・マップによると登山口のある長野県 茅野市 美濃戸には自宅から約2時間半で到着できるようだ。
休憩を含めると+15分くらいだろうか。
到着予定は11時頃。
上信越道を佐久インターで早々と高速を降り、した道へと入った。
真夜中ではないにしても僅かな光さえ存在しない山道の運転は、普段オカルトなど信じないオレの心理にもじわじわと恐怖を浸透させていく。
LEDのヘッドライトの光線を照射した部分だけが夜闇にくっきりと浮かび上がり、まるでそこだけがこの世界なのではないかと思うほど周囲は漆黒であった。
新潟県の巻機山へ行ったときのようにhideのロケットダイブを爆音で流していこうと思ったが、なんとitunesに入れ忘れていたことに気づく。
そのため、ツタヤでレンタルしたばかりのUruのバラードを聞きながらそんな山道を走り続けた。
途中、白樺湖を通りかかる。
観光地のためホテルが立ち並び、その光が通りを照らしているが時刻は夜11時、そこに車や人影はまったくなかった。
もしかするとバイオハザードが発生し、ラクーンシティのようになって多くの方がTウイルスに感染してゾンビになっているのではという身勝手な悪夢が脳裏をよぎる。
生存者はいるのだろうか。
身勝手な妄想をかきたて、自らの冒険心を煽っては、長時間のドライブに一握りのエンターテイメントを注入する。
それもつかの間、上り続けていた道路も峠を超えたようで、下りに入る。
しばらくしてはるか先に、街の光が目に入った。
どうやら茅野市街が見えてきたようだ。
Kさんからラインが入った。
「駐車場に着いたよ。」
10時20分頃だった。新潟県長岡市から向かっているKさんとは八ヶ岳山荘で待ち合わせしていた。
グーグルはあと20分と表示が出ていた。
登山口まで20分で到着だというのに、決して山林ではなく民家や商店が並ぶ県道を走る。ここからまた上っていくというわけか。
美濃戸というのは、八ヶ岳別荘地らしい。そういえばそんな場所としても有名だったことを思い出した。
登山へ向かっているとは思えないほどアクセスしやすい路面状況だった。
駐車場へ到着。
時刻は22:50。
山荘という響きとは程遠い、旅館や民宿といった表構え。道路向かいには小綺麗なペンションまである。Kさんは車中泊の準備を終えたところだった。
Kさんとは久々の再会であったが、元気そうでなにより。明日のテント泊に備えてユニクロのシームレスウルトラライトダウンパーカを買ってきてはいたが、登山口であるここは11時でも上着はフリースだけでいけた。
Kさんと登山口や明日の出発時間などを確認した後、車中泊にて就寝。
オレは車中泊が好きだ。
車で旅にでかけるたびにそうしていた20代の頃は節約の意味合いが強かったが今はどうやら少し違って、目的地までやってきて、その場で寝床を確保するという冒険心のほうが強いよう。
個室といえば個室であるし、自由気ままに過ごせる。到着後に即寝れる、という行動も魅力的であるし、なにより自分との対話が心地よい。次の日の予定や、あるいは普段考えないようなことを車中の後部座席で寝っ転がり、暗闇の中でひとり考えたりもする。
その日は、なにを考えていたっけな。
翌朝5:00
早々と出発する登山者の方々の車のエンジン音やドアの開閉の音で目が覚める。
昨夜は10台程度だった車も、駐車場が満車になるほど停まっいた。
準備をしていると、山荘のスタッフが駐車料金を回収にやってくる。
1日500円。オレたちはテント泊をするので2日分、1000円を支払う。
「2日分」というのは自己申告なのでKさんが、
「一日、と言えば500円で済んだな。」とつぶやく。
それは、だめだよやっぱ。
でも、
オレも確かにそう思ったかどうかは定かではない。
6:00出発。
これから何かが始まるという、この瞬間がたまらなく楽しい。
八ヶ岳山荘前。
登山者が登山届けを提出する。
八ヶ岳の美濃戸登山口は先日の台風直撃により、登山道にかなりのダメージを受け、川に架かるいくつかの橋が崩落してしまった。
山小屋スタッフが紅葉時期の登山客を迎えるために急ピッチで修復してくれたらしい。
その情報を元にオレたちもここへ来ることができた。
しばらくは車道を歩く。
7:00 約1時間の車道歩き。
赤岳山荘とやまのこ村(山荘)に到着。
車が通れる橋が崩落してしまったため、この2つの山荘はすでに今シーズンの営業を終了しているようだった。
その先には美濃戸山荘。
こちらも営業は終了している様子。
ここが本来の登山口。
行者小屋へ向かうため、南沢コースを行く。
この時期の登山者、そして八ヶ岳に来る登山者は皆健脚な様子で、どんどん登っていく。
皆様の体力、筋力に関心してしまう。
八ヶ岳の深い森が生み出した苔の群生が、ここが別の世界などだという暗黙の存在感を放っている。
.
間もなく行者小屋だという手前。
台風の影響か登山道が消え大きな石がゴロゴロ転がっていた。遠くにピンクのテープが見え、そこを目指す。
八ヶ岳の山々が目前に迫ってきた。
間もなく行者小屋らしい。
9:20 赤岳山荘、八ヶ岳登山口より約2時間20分。
目的の行者小屋に到着。
背後には八ヶ岳の岩山が聳えていた。
子供の頃にやっていたドラクエで、隣町までやっときた時の嬉しさに似た感情が溢れる。
ドキドキしながら初めてきた行者小屋に入る。
まったく愛想のない受付のお姉さんにテント泊料金1000円を支払う。
今どき、ペッパーくんなどのロボットほうが愛想はありそうだ。
とにかくまずは寝床を確保するためにテント場へ向かう。
テント場としてはたくさん張れそうだが、風向きや、夜に騒ぐ人たちを避けるとなると端がいい。
Kさんととなり同士にテントを張り、オレたちはいざ八ヶ岳最高峰の赤岳を目指すことした。
つづく。
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