サマルカンドでの2泊目の宿は、レギスタン広場からほど近い安宿通りにある1軒だった。
サマルカンドは新市街と旧市街とに分かれている。
しかし誰もいない。
「お客さんだね。すまない、これを置いてくるから少し待っていてくれ。」
ウズベキスタン人はほとんどが英語の単語さえ話せないと聞いていたが、宿の主人だとは思うがこの初老の男性が英語を話したことに私は驚いた。
男性がすぐに受付へやってきた。
屋上からはレギスタン広場のメドレセが見える。
見るもの全てが刺激的でエキサイティングであるが、さすがに一日じゅう歩き回って疲れていた。
唯一開いているというレストランで夕ご飯を日本人の方々と共にするために1時間ほど休んだところで出発することにした。
待ち合わせのレギスタン広場へ向かう。
到着して、私はその美しさに思わず息を飲んだ。
漆黒の闇の中に浮かび上がるように、あるいは闇の中から現れ出てきたかのように、旧神学校であるメドレセがそこにあった。
アジアの遺跡や寺院などを今まで見て回ってきたが、その全てを抜き去るほどの圧倒的な荘厳さ。
そうだ、これを観るためにウズベキスタンへ来たんだ・・・。
私は、待ち合わせの遠藤さんに声をかけられるまで、確かに別の世界へ誘われていた。
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