2016.10.30 越後駒ケ岳 日帰り登山
最近、巷で耳にしたが、
数名で登山することを「グループ」と言い、一人登山のことを「ソロ」と呼ぶらしい。
なんだそれ・・・。
ちょっとかっこよく言いやがってコノヤロウ。
お前らはどーしても「ひとり」とは言いたくないのか? え?
どーーーーしても、
「ひとり」だとは認めず、あくまで「ソロ」だと言いはるのか?!え?!
オレは胸を張って言おう!
今回はワタクシは、
雪山になる前にと狙っていた山、新潟県南魚沼郡、駒ケ岳へ「ソロ登山」へ行きました・・・。
土曜日の夜、吾輩は9時ころ自宅出発。登山口駐車場で車中泊をする。
関越自動車道、新潟は小出インターで降りる。
「枝折峠」にグーグルマップでナビをして向かう。
国道352から山奥で県道50号、樹海ラインへと分岐。
しかしそこから登山口までが、「恐怖」の始まりと・・・
オレの「ショータイム」の始まりだった・・・。
見知らぬ土地、山中、あたりは真っ暗。峠道を走り続ける。
いくつかのトンネルを抜けたが、とあるトンネルに入ったが最後、、、
出口がいっこうにない。どこまで行ってもトンネル。
くそう、まるで人生のようだ。
そして、こええ。。。
しかもあまりにも山の中のトンネルのためかGPSが機能できず、車のナビもアイフォンのグーグルマップもトンネルの前で位置が止まっている。
記憶している地図では、どこかで右に曲がらなければいけないのだが。
こっちへ行けと、ファイナルファイトばりに、でかい矢印が画面いっぱいに出てくる。
ダムの標識が出てきた。ここはまさかダムの下なのか? だからGPSがだめなのか? 天井が崩れたらアウトだな。
これは、まずいぞ。こんなとこで迷ったかもしれん。
いや、待て!
これは迷ったのではないのかもしれん。
まさか、これはひょっとすると・・・・
そう、そのまさかだ・・・
オレは、つばをゴクリと飲んだ。
「世にも奇妙な物語」に迷い込んでしまったのかもしれない。
「この青年は
どうやら奇妙な世界へ迷い込んでしまったのかもしれませんね」
タモリさんのナレーションが聞こえたような、聞こえていないような、
実は自分でわざと言っただけなのか。
ハッ としてバックミラー、次に、後部座席を振り返る。
良かった。タモリさんはいない。
まだ迷いこんではいない!
再び、数分走らせる。 もう不安でしょうがない。
すると、わずか20〜30メートルほどだけ、トンネルが切れ、左右に森が見えた。慌ててブレーキを踏む。
キキーッ
と、自分で大声を出して言って、
あたかも急ブレーキをしたかのように大げさに演出し止まってみる。
誰かに聞かれでもしたら、頭のおかしい奴になってしまうが、うむ、まあいいだろう。
そもそも20Kmくらいで走っていたからすぐ停止したし、冷静になってみると、本当にオレはアホなんじゃないかと疑う。。。
僅かにヘッドライトの光が届き、森が見える。確かに外だ。良かった。ダムの下ではなさそうだ。GPSはどうだ? 検知してるか? ダメだ。現在地が何処かもわからん。
そういえばさっき、トンネル内に確かに右に曲がる道があった。
けれど、距離的にまだ曲がるところではない気がしてスルーしてしまった。なによりもこんな長いトンネル内に丁字路があるなんて思いもしなかった。
でもここは一旦戻ったほうがいいのかもしれない。
いや、待てっ!!
落ち着け・・・。
そうだ、落ち着けオレ・・・。
ってゆうか、そんなに慌ててもいない。
もし、戻る必要がなかった場合、さらなる混乱と絶望が待っているのではないか? でもトンネルは一本道だ。 行く方向はどちらかしかない。時間はかかれども二択か。
オレンジの灯りの異次元のトンネル内で車を完全停止し、いつ貞子が襲ってくるかも分からない恐怖や恐ろしいほどの静けさの中で
オレの思考はフル回転していた。
深夜という時間帯的にもその勢いがあれば花びらで5回転はしているだろう。
いや何を言っているんだオレは。
と下ネタを経たその時、GPSが現在地探知!
見ると、やはり15分ほど前にあった曲がり角をまがらずに、そのまま真っすぐ来てしまっていて、目的地からはかなり遠くにいるようだ。
トンネルは対面通行。こんな夜中に対向車や後続車などいない。
Uターンだ。Uターンしかない、この狭いトンネルの中で!
しかしできるのか??!!
それならVターンだ! V-turn しかない!
いや、待て!
そう、待つんだ・・・
落ち着くんだオレ・・・。
オレは、思いついてしまった。
Ωターン(オメガターン)、
うん・・・、オメガターンと名付けよう。
そのほうがFFっぽくていい。
よし、Ω-turnだ! 前進、バックを繰り返し、ハンドルを切り返すこと10回ほど。
車の向きを逆にすることに成功。引き返します。
そういえばトンネルの壁が、コンクリートじゃなくて、もうなんか洞窟みたいな裸の壁で、ディズニー・シーのインディ・ジョーンズのようだった。
アイフォンに、ちょうどインディ・ジョーンズのテーマソングが入っていたので、かけてみる。ぴったりじゃないか。
後ろからでかい岩が追っかけてきてそうで焦る。
スルーしてしまった曲がり角まで戻ってきた。
行くと、なんと外へつながっている。
ダンジョン脱出。久々の夜空。 ホント怖かった。
予定時間を30分オーバーして、なんとか登山口に到着。
↓登山口駐車場。 左の建物はトイレ。
すでに数台が止まっていた。 運転の疲れもあり、すぐに就寝することに。
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夜中にふと目覚めて、トイレに行こうと車外へ出ると、そこはプラネタリウムのような空を埋め尽くす星空。
しばらく見上げていると、目も慣れてきて徐々に光の数も増していく。
思わず息を飲む。
音という概念なんてここには無いかのように静かで、認識できる音というのは、思考の中で響く自分が生む言葉のみ。
そういえば、オレが何の音もない静かな場所が好きなのは、自分の内面の声がよく分かるから。活字のように、自分が何を考えているのかよく分かる。
逆に、自分と向き合うことを避けたい時は騒々しい環境を好む。何も考えたくない時、激しいロックを聞いて思考を止める。
そのあとは、なんだかいろいろ考えてしまってなかなか寝付けなかった。
闇が深ければ深いほど、その中で光を見つけることはたやすい。
だから神様は、昼と夜とを創造し、人間の思考にもそれを与えた。オレたちに希望を失わせないために。
もちろん、後編につづく。
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