2019.08.17 04:50クソ野郎のジャワ島横断記⑮送ってもらったゲストハウス前でバイクタクシーのフィシュヌを見送ったオレは、日が暮れ始めた薄闇の中、ゲストハウスの門を開けた。キイ、と長年の錆ついた音が鳴り響く。 大昔、貴族の家だったというこの宿はどうやら大した改装もなく部屋割りだけ仕立てたようで、チェックイン時に立ち寄ったフロントは屋根付き喫煙所程度のもの。そして夕闇のこの時間はそこには誰もいなかった。 通路や中央のテラスには確かに電球が灯ってはいるが、人の気配が感じられない。他に客はいないのだろうか。あるいは従業員はどうしたろう。 上から垂れ下がるアンティークな電球の僅かな光では足元が不安になり、iphoneのライトを付けて部屋まで向かう。