2018.07.15 09:38パリ組曲⑱ 乞う者 彼らはルーブル美術館に3時間ほど滞在した。 名のしれた絵画や彫刻は、館内図に記載があったり、通路に案内表示が出ていたりしたが、他のものは場所がさっぱりわからない。そのため元々は宮殿や要塞であった迷路のような館内を迷いに迷い、係員に聞きながら目的の美術品を見て回った。 さすがにヘトヘトになり、地下のフードコートで遅めの昼食を摂る。パンやサンドイッチやドーナツが主なメニューであったが、相変わらず日本円で考えてしまえば高額な支払い。高いですねえ、とミヒャンが苦笑いをしながら水を買う。 休憩を経て、さて動こうかというときには時間は午後二時を回っていた。 地下から地上へ出ると、まだルーブル美術館前は長蛇の列が続いていた。その日は8時までの夜間開館日...