ウズベキスタンの旅㉜ さよならブハラ


荷物を取りにゲストハウス「Rumi」に戻り、部屋の荷物をまとめる。
「さよなら。ありがとう。また、いつか来るよ。」


過ごした宿の部屋を出る時、私は必ずそう口にする。


感謝の気持ち、そして自分の寂しさを紛らわすためだ。


鍵を返しにフロントへ行くと、歩き始めたくらいの子供とその母親が遊んでいた。


「この宿のご家族の方ですか?」と尋ねると流暢な英語と微笑みを返してくれた。


私はコンセントでスマホの充電をさせもらいながらしばしこの母と話をさせてもらった。


この母、おそらく20代後半だろう、幼い頃から両親が宿を経営していて、増築を繰り返してきたという。子供を見つめる瞳、表情がとても柔らかく、とても愛していることが伝わってくる。


他にも良い宿はたくさんあるが、こういった家族経営の宿はやはりよいものだなと改めて私は思った。


礼を言って宿を後にする。


向かったのは、欧米人が集まる小綺麗でおしゃれなレストラン。
冬のオフシーズンともなると、夕方以降で開いている店はそういった店しかないようで、街は一段と暗くなっていた。

席は大半が埋まっていて、金髪の家族や裕福そうな欧米人家族で賑わっていた。

店員も、私が食べた定食屋とは大違いで、スーツを着こなしている。


待ち合わせた女性はYouTube名「はぎたす」さんという。



聞けば、私よりずいぶん若いがすでに何カ国も旅を、しかも旅行としてはマイナーな国を一人でしている強者だった。しかし決して英語がとりわけ達者ではないところも驚かされた一面だった。


よくグーグル翻訳の画面で会話もするようだ。


好奇心、度胸、勇気、怖いもの知らず。それらは確実に持っているかたで、それが女性だということに私の今まで概念を壊してくれた。


旅の話をしているうちに1時間ほどが経過し、私は一足先に出発させてもらうことにした。


外はすっかり冷え込み、地元の群馬より寒い。持ってきている全ての防寒着を使用する。


最後、妙な「こだわり」が私に訪れる。


ここ、ブハラの宿に着いた時、私は現地の人の助けられてやってきた。だから去る時もその同じ場所から立ち去りたい。


私はまた5分ほど歩いて宿へ戻り、そこからタクシーを呼んだ。
すぐにやってくる。


ああ、いよいよお別れの時だ。


ブハラは、「日数があるからついでに寄ろう」と来た場所だったがドラクエの街並みに感動の連続だった。出会いも出来事も考えたこともたくさんあった。


名残惜しくない訳がない。


タクシーに乗り込み、背後に小さくなって思い出と宿の風景を私は見つめ続けた。








おかやんの「とりあえず何でもひとりでやってみる」ブログ。

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