2017.8.13 今回はのんびり歩行の登山。
武尊牧場キャンプ場 駐車場 8:20
武尊山 登山口 8:40
避難小屋 9:45
ヤマトタケル像 11:40
武尊山 山頂 11:48
〜お昼休憩〜 約30分
下山開始 12:25
避難小屋 14:30
キャンプ場 15:30
トータル 約7時間10分
2017年、登山を初めて2年目。今年はテント泊デビューをしようと、梅雨明け後にロトのテント泊装備を揃えた。
しかし、梅雨明け発表した直後から雨続きの天気。
土日のたびに雨、雨、雨。
いっこうにテント泊に行けず。
世界遺産の屋久島でバックパッカーをしたいと、テント泊の計画も立てたのに、行く直前に今度は屋久島に台風直撃・・・。飛行機、ホテルなど全てキャンセル・・・。数日かけて計画、準備してきたのに・・・。
天気という、人間が太刀打ちできない現象。
落ち込んでしまう気持ち。
登山において、体調と気持ちと天気とは本当に読みきれないと学びました。
では日帰り登山に行こうとも、今年の天気予報は前日で変わることも多々。
曇りが晴れたり、雨が曇りになったり。
その日、群馬の予報は、前日段階で曇り時々晴れだった。
朝、どん曇り。 でも、経験上では気温が上がり始める9時頃から晴れ間がでる。
行こう。
直感で決めた山は、日本100名山の「武尊山(ほたかさん)」。
自宅から車で1時間半〜45分くらいで行け、コースタイムも7時間くらい。
それ以上長いと、眺望が少ない山は、登ってて飽きてきてしまうのです・・・・。
武尊山は、登頂までいくつかルートがあるようですが、一番コースタイムの少ない「武尊牧場キャンプ場」を登山口に選びます。
関越道の沼田インターで降り、片品村までやってきた。
オレのホームマウンテン「魔界村」より観光資源が豊富だ。
武尊牧場スキー場は、なんと去年で閉鎖してしまったらしい。
そのため、リフトは動いておらず登山者駐車場からキャンプ場までハイエースにて送迎とのこと。
こちらに駐車。
登山者は、ハイエースにてキャンプ場まで送ってもらいます。
地元なのにこんなところにキャンプ場があるなんて知りませんでした。
目に入る車はすべて他県ナンバー。
都会から来た人は、さぞかし大自然にびっくりするのでしょうね。
簡易案内図。
登山道へとアスファルトを登っていきます。
道標がたくさんあるので迷わない。
登山道の幅は5メートルはあり、とても歩きやすい。
ものすごい折れ方をしている。雷か。
何か見えてきた。
ドラクエのような祠、いや、 避難小屋。
中は、特に宝箱はない。
森林登山道の中、一部、視界が開けた。
森林を脱出。
目の前に、断崖絶壁の山が見えます。
こんな、10メートルくらいの垂直鎖場が3箇所ありました。
濡れていて、滑ります。危険でした。
これくらいはホームマウンテンの魔界村で鍛えたので登れます。気持ちの問題ですね。
さきほど中型犬を連れた夫婦がいましたが、さすがに犬を連れては登れないため断念したようです。
スキー場が、まるでバリカンされたような跡として見えます。
別のルートとの合流地点。
武尊山の剣ヶ峰。
オッ!
ヤマトタケル(大和武尊)の像がありました。
まもなく山頂です。
しかし、山頂にいた人々に何かおかしな雰囲気をオレは感じることになる。
お盆に入った土曜日。
雨続きの天気のゆいいつの晴れ間の日。
そして日本100名山。
これだけ条件が揃っていれば、山頂にはきっと大勢の人がいるとオレは思っていた。
しかし、山頂広場に到着し、オレの視界に入ったのは10人程度。
あれ? 少ないな。 そんなもんなのか。
頭の片隅でそうは思ったものの、オレはゼイハア言いいながら辿り着いたもんで両手を上げて喜んだ。
「よっしゃー!! 着いたー!!」
いつもだったら、誰かがそれに対して「おつかれさま〜」の一言も言ってくれる。
今回も、そのはずだった。
が、今、
山頂にいるその10人程度の人々全員がオレを、
ガン無視するではないか。
オレは上げた両手を下ろせなくなってしまった。
いや、まて、
ガン無視だけならオレが空気を読んでないだけで終わることもできた。
この人達、何かおかしいぞ・・・。
よく様子を見てみる。
男女ペアや、男性2人など、誰かと来てる様子なのに、一言も会話がなく、黙々とお弁当を食べている。
しかも顔色は、気分でも悪いのか、皆一様に暗い。
生気がまるで感じられない。
一体、どうしたというんだろう。
山頂といえば、その辿り着いた達成感やら開放感から、同行者とのおしゃべりにも花が咲くのではないか。
オレは彼らが発する雰囲気に不気味さを感じつつも、ひとりで来ていたおじさんに記念写真をお願いすることにした。
「あの、写真撮ってもらえますか?」
すると、おじさん、無言でこちらを振り返り、ぬっ、と手を出した。
カメラをよこせ、という意味だろうか、オレはカメラを手渡した。
おじさん、そこに立て、と言うように指をさす。
オレはそれに従い、体がこわばったまま立つ。
パシャリ。
「あ、ありがとうございます」
オレがそう言うと、おじさんはオレにカメラを返し、黙ったまま再び元いた場所にすわりこんだ。
他の人たちも相変わらず、無言に無表情、お互いに目を合わすこともない。
なんなんだろう。
山頂に着いたというのに、楽しくないんだろうか。
そういえば、、、。
オレは小学生の頃に読んだ宮沢賢治の童話、「銀河鉄道の夜」を思い出した。
亡くなった人が登る山がある。そこには夜になると列車がやってくる。
皆、それに乗ってあの世へ旅立つんだ・・・。
まさか、 ここがそうなのか?
冒頭。
星祭りの夜、友達の輪から外されてしまった主人公の男の子、ジョバンニが悲しい気持ちで山へと走って登る。
しばらく草原で寝転がっているとウトウトしてしまい、家に帰ろうとすると突然、まばゆい光と共に目の前に巨大な機関車が現れる。
そこは、「銀河ステーション」だった。
銀河鉄道の切符がないと列車には乗れないはずが、何故かジョバンニのポケットには切符が入っていた・・・。
そして、死者たちと共に列車の旅が始まる。そこには何故か、星祭りに行っているはずの親友カンパネルラも乗っていた。
・・・・・・・・・・・・・
オレがお昼を摂っていると、無言だった人たちも少しずつ話しだし、別ルートから多くの登山者が賑わいながらやってきた。
トレイルランの人たちにも人気のコースらしく、数人で走ってくる人もいた。
良かった。 さっきはたまたま、みんな疲れ切っていただけなのかもしれない。
山頂がにわかに、にぎわい始めた。
しばらくすると霧が晴れ、稜線が姿を現す。
こんなところでテント泊したら、星がきれいなんだろうな。
日本の登山の場合、一般的にテントを張っていい「テント場」というのがある。
多くの場合、管理者に使用料金を払わなければいけない。それもビジネスだからだ。
それに場所が決まっているというのは登山のルール、マナーとして必要だと思う。
大勢の登山者が好き勝手にテントを張っては山の秩序が成り立たない。
けれど、思う。
だれもいない狭い山頂でひとり、空だけを見て過ごして泊まってみたいな、って。
もしかしたら銀河ステーションが現れるかもしれない。
さて、下山しようと、ザックの中を整理しているとこんな物が入っていた。
銀河鉄道乗車券。
登山中は天気予報通り、曇り時々晴れだったけれど、下山し駐車場を出る頃には雨が降り出し本降りとなった。
振り返って武尊山を見る。 雨の山もまたいいな、とそんな風に思う登山2年目だった。
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