ベトナム中部の都市 ダナンからミーソン遺跡へ
そういえばストⅡのRYUの海外旅行の目的はこうだった。
『俺より強いヤツに会いに行く』
いつでも裸足に稽古着、それに赤いハチマキ。 きっとどの国でも入国審査でひっかかったんだろう。。。
さてオレの旅の目的は。
観光かといえば、そうではない。
友人との再会が目的かといえば、そうゆうわけでもない。
何かおいしい物でも食べに行くのかといえば、それも違う。
じゃあ、オレにとって旅とはなんなんだろう。どうして遠くへ行きたくなるんだろう。
ある人は言う。旅とは非日常を味わいに行くものなのだ、と。
旅をしても、そこに住み着いてしまったら、それは日常になってしまう。
帰る場所があるからこそ、それは旅なのだ、と。
なるほど、確かにそうだ。
きっと、もっと単純に言うならこうだ。
知らない世界を知りに行く。
世界遺産 ベトナム、ダナン→チャンパ王国のミーソン遺跡へ
帰国日だったので、タクシーで、ホテル→ミーソン遺跡→空港というルートでお願いしました。
確か約5000円くらいだったような。
ホテルのマネージャーのローンさんに、古都フエへ行った時にお願いしたドーさんを呼んでくれと前日にお願いしていたところ、夜には「大丈夫」との返事。
帰国日は彼に送ってもらいたかった。空港では、ベトナムという国ではなく、彼にお別れを言いたかった。
朝、ホテルのチェックアウトをしてドーさんを待つ。
やっぱり、ちゃんと10分前には来てくれた。
ロビーにいるオレを見つけると彼はまるで、友達でもむかえに来たかのように、笑顔で手をふった。オレも同じように返す。ドーさんはオレの荷物を、決して軽くはないそれをひょいと持ち上げ、タクシーへと運んでくれた。
ミーソン遺跡までは片道一時間半。フエと比べれば近い。
到着までは、ベトナムの田舎景色を車窓越しにしんみりと味わいながら向かう。
車内は、洋楽のバラードが流れていた。カーペンターズの「イエスタデイワンスモア」は、短期間ではあるが、ベトナムでの短くも濃い日々を思い返させてくれた。
ミーソン遺跡は、「廃墟好き」にはたまらない。 どなたか廃墟好きな人はいませんか?
チケットを買い、遺跡まではこのような整備された道を行きます。
オレは修復されてキレイになってしまった遺跡よりも、長い年月、雨風にさらされて、今にも朽ち果てそうな歴史を感じる遺跡が大好きなのです。そしてミーソン遺跡はそれを十分満たしてくれていました。
ベトナム戦争での破壊の跡も多いとのことだが、そういった考えさせる面も含めて実に味わい深い遺跡であり、ジャングルの中に、ひっそりと存在していることも、冒険心をかき立てられていい。
思い返せば、小さい頃から空想の世界で冒険していた。 ドラクエ、ファイナルファンタジー、インディジョーンズ・・・ 世界中を旅して、日本にはない景色を見て、物語の世界に浸った。
いつか行ってみたいな、こんな所に。
あの頃、空想に耽った場所に来た。
ミーソン遺跡の、朽ち果てたレンガに手を当ててみる。
何百年も前にはここも栄えていて、人々が暮らしていた。その頃を想像してみる。時空を越える、とはその思いの中に存在する現象なんだろう。
亡くなってしまった大切な人を思い返す時と少し似ている。
思い出の中なのに、声の質感や表情、仕草などがはっきりと分かる。その一瞬だけはその時に、戻った感覚になる。それはその人だけが持っている心に残る遺産。
遺産は遺産であってほしい。新しく、綺麗になってしまわないでほしい。
夕方、ドーさんにダナン国際空港まで送ってもらう。
持っていた日本のうちわをプレゼントした。
たまたま地元のタクシー協会のうちわだった。ベトナム語で、また会いましょう、とメッセージを書いておいた。読めたろうか。
ドーさんと、空港にて。
ホイアン、フエ、ミーソン遺跡という、三つの世界遺産へ行く事ができたベトナム中部。
ゲームではなく、現実の世界にちゃんと存在する人々と会い、遺産を巡る、「旅情」という言葉がよく似合う旅となりました。
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