オレの中で、ベトナムと言えば「ベトナム戦争」だった。
小さい頃に見た「プラトーン」というベトナム戦争の悲惨さを描いたハリウッド映画が強烈で、今も忘れることはない。
ウィキペディアによると、第59回アカデミー賞作品賞、監督賞、編集賞、録音賞受賞。第44回米国ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)受賞とのこと。
若き頃のジョニー・デップも出演している。
調べてみると、ベトナム戦争遺跡が今は観光地として多くの人の目に触れられるようになっているとのこと。
2015年夏。
行き先は3都市。
ダナン、ホイアン、フエ。
ダナンはビーチリゾート。
ホイアンはランタンが有名な世界遺産の街。
フエは日本でいう京都の様な古都。世界遺産もたくさん。
ベトナム中部、見応えのある世界遺産があります。
成田からハノイ経由、国内線でダナンへ。
ハノイ・ノイバイ国際空港は、最近まで国際線、国内線が同じターミナルだったらしいが空港を大きくし、国際線、国内線を分けたそうだ。
なので、入国し、国内線に乗り換える場合はトランジットシールをもらい、空港を出たら国内線ターミナル行きのバスに乗る。
この看板の「E」の方向へ行く。
こちらのバスに乗り、国際線から国内線ターミナルへ。
その国内線専用ターミナルが元の国際空港の影を残していて、シャッターが降りた免税店やらレストランの廃墟がずらりと並んでいた。
乗り換えまで暇なので廃墟の二階を探検。
しかし
暗がりに裸のマネキンが放置してあるのは、
やはり、一瞬びびる。
それと廃墟のはずなのになぜか一部レストランが電気が点いていて、誰か客席で横になって寝ている。冷蔵庫にはジュースも入っていた。
勝手に何か食べ物を食べると「千と千尋」ばりに豚にされてしまいそうな不気味な雰囲気だった。
電気もない通路。
搭乗ゲート前の待ち合い場所の天井からは一応液晶画面がぶら下がっていて、便名を表示している。それが唯一の明かりでもあった。
ダナンへ到着。午後三時は回っていたろうか。
ベトナムも乗り物のぼったくりには注意。色々調べてはきた。
空港を出るとさっそく客引きが来るので、良心的だという緑色のマイリンタクシーを指名。
ホテル名を告げると、すぐに向かってくれた。初めは怖そうな顔の運転手さんだったが市街地に入るとここは何だ、あそこは何だ、と観光場所を通るたびに教えてくれた。
無事に最短距離でホテルに到着。
今回はリゾート宿泊ということで、ホテルにもお金をかけた。
ホリデイビーチホテル・ダナン。
他の名のしれた高級ホテルと比べれば、やはりだいぶ違うが一応、デラックスホテル。ビーチの目の前の立地で毎日、スパが無料で受けられる。フロントもゴージャス。
さっそくチェックインだが、英語が聞き取りづらく、かといってオレの英語もそうでもないが、丁寧にホテルの説明を受けたあと、ロビーでウェルカムドリンクを出してくれるはずだったのにテンパって、すぐ部屋に向かってしまった。
荷物を置き、一休みしてから夕暮れのビーチへ。水彩画のような淡いピンク色に染まる空がとてもキレイだった。
ベトナムに行きたいと思ったのはなんでだろう。美しい夕暮れに身を置いていると、そんな疑問がふとよぎる。
アオザイを着る女性に惹かれたんだっけな。
波のように押し寄せるバイクの群れを見てみたいと思ったんだっけな。
東南アジアの国々を見てみたい。カンボジアへ行って以来、すっかりその魅力にはまってしまった。
男性ならきっと誰でもあるであろう冒険心。大人になってもまだそれが胸の内に潜めていて、夏や年末年始の休みが近づくたびにザワめく。
子どもの頃、ドラクエやファイナルファンタジーに熱中した。
現実にはあり得ないモンスターや武器、魔法が出て来て、それらを駆使しながら世界を旅した。
子どもの頃に衝撃を受け続けたドラクエやファイナルファンタジーの世界観は、この地球のどこかに存在する街や建物、歴史を基に創作されていて、今、オレたちはパスポートを持って、その世界へ「実際」に旅をすることができる。
夕飯に、ローカルな通りへ行く。ビリヤード屋があって、若者が上半身裸でやっていた。大衆食堂が連なっていた。
地元の人に混ざってフォーを食べる。250円くらい。
メニューがよくわからんのでとりあえず注文する。食べたあと気付いたが、カエルの肉が入っていたようだ。。。
・ ・・口直しにフォー屋さんをはしごする。
2軒目。大衆食堂。200円くらい。普通のフォーだ。ほどよい塩味が、歩き回って汗をかいた体に染み込む。うまい。
滞在中は毎日でもフォーいけるな、安いし。
異国の地へ旅行へ来ると、自分とよく対峙できる。日本では味わえない緊張感、判断力、行動力をフル稼働して動く自分がいる。
人生は旅である。
古来より旅人達は皆、そういったことを言ってきた。
松尾芭蕉や若山牧水らは、日本を歩いて旅をし、俳句という形でその人生の想いを後世に残してきた。
一言では決して言い表せない、人生という偉大な時間の経過を、「旅」と言い切ること。
そう感じることができるまでには、オレもある一定の経験や年を重ねないとならないのだろう。
ダナン到着の夜のことでした。
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