久しぶりに対面するアンコールワット。
遠くからその先端が見えた時は興奮よりも、懐かしさが胸に溢れた。
見てみたいと願った長年の夢のあの思い、ボランティア仲間と来た思い出、初海外の国。それらの思い出が、参道からアンコールワットを眺め、一人立つオレに降り注ぐようだった。
いや、、、、
どうやらそうじゃない。隣には、トゥクトゥクドライバーのミスターマオが立っている。
「なんでいるんだよ・・・」
ミスターマオは、よく笑う男だった。しかも、声にだしてガハハと。人から好かれるタイプだろうな、となんとなく感じていた。
「カンボジア人は、フリーで入れるからな。」
と言って、またガハハと笑った。
発展途上国って、外国人価格ってのがホントにはっきりしてて、どこも入場料は外国人からしか取らない。しかも高い。そして国民は無料。なので、ミスターマオはどこでも行けちゃうわけだ。
なので、せっかく来てくれたもんで、写真を撮ってもらう。
オレは、暑さで弱っていたけど。
カンボジアではこのような帽子がないと日光がきつい。 キャップはだめですね。↑これは、普段使う登山帽子。撥水でもあります。現地でも麦わら帽子のようなものが買える。
ミスターマオ、参道だけ一緒に歩いて来て、写真撮ってくれてまた戻っていった。
「トゥクトゥクで待ってるから〜」と言い残して。
アンコールワットへ来るのはこれで二度目。夢中になって写真を撮る、というよりは時間をかけてゆっくりと「ここにいるんだ」という興奮を静かに堪能し味わった。
物売りをしているわけでもない、おばちゃん。ゴミ集めなのか、何か持っている。
第一回廊には、時折猿がやってきます。人間にはまったく興味ないようです。
しばらく見ていたら、去っていった。
お坊さんも、撮影されまくります。
何かの占いか、祈祷か。
その後、ミスターマオと再び合流し、プノン・バケンという遺跡へ向かう。
ここは初めて訪れる場所だった。
プノン・バケンは20分ほどで登れる山で、その山頂に遺跡がある。ここシェムリアップは平地に存在し大きな山などないため、その程度登っただけでシェムリアップの密林を360度見渡すことができる。
夕暮れ時には、密林に沈む太陽を見に多くの観光客がここへ来るそうだ。きっとそれも素敵なんだろうが、密林の中に半分ほどその姿を見せているアンコールワットを眺めるのもいい。
未発見の遺跡をみているようなロマンを掻き立てられる。
夕方に差し掛かる頃からは象に乗って登頂するコースもあり、ちょうど下山した頃に象使いを背中に乗せた象が集まってきていた。
遺跡の入り口に戻ってくると、ミスターマオがわざわざ迎えにきた。数十メートル離れたところからでも分かるほど大きく手を振っていた。ともすれば、ちょっと恥ずかしいくらいだ。でも、そういうの嫌いじゃないんだオレは。
「ホテルに帰るのでいいか?」
彼がオレに問う。
「ああ、ホテルへ」
その時には、幾分、彼への警戒心は薄らいでいた。
一日彼に運転を頼み、無事ホテルへ送り届けてもらう。
「明日はどこかへ行くのか?」
彼になら、安心して移動を任せられそうな「気」がした。明日は市街から離れた遺跡へ行こうと考えていた。値段を聞く。今日と変わらない値段だった。「地球の歩き方」によればトゥクトゥクは移動距離で金額が変化するという。地図で確認すると、おおよそ移動距離は今日と同じ。一応金額交渉すると、彼は困った様子で座席の下から金額表を取り出し、「本当はこれくらいは欲しいんだ」と言葉を漏らした。金額表なんてあったんだ、という少々の驚きと、きっとパフォーマンスだろうなという予想もあったが、とりあえずガイドブック記載の相場よりは安いってことで、明日も彼に頼むことにした。
彼は、またガハハと笑いながら「また明日」と言って去っていった。
会ったばかりの相手に気を許し、安心しきってしまうことは異国ではやはり何らかのトラブルに繋がりかねないけれど、彼のキャラクターはちょっとくせになりそうだった。
とにかく無事に初日の遺跡めぐりが終わり、ホテルで少し休んだ後に、オレは繁華街へと足を向けた。ホテルより徒歩10分。
シェムリアップでは有名なレストラン、「レッドピアノ」。どんなガイドブックにも取り上げられていて、おしゃれで料理もおいしい。
ボランティアでカンボジアへ来た時、二日間だけあった外出日の日に仲間たちと夕飯に来た場所。村長さんちでの暮らしは毎日、カンボジア家庭料理を食べさせてもらっていたんだけれど、暑さのせいもあり、食欲もなく、味はおいしいのに進まなかった。
そのためか、涼しい場所で、食べ慣れた洋食を口にすると本当にもう美味い。
という思い出があるため、再訪した。オレが入り、5〜10分後には満席に。10人くらいの同じTシャツを着た団体がいるので、よくみると何かのボランティアの学生のようだった。見た目にはどうやら多国籍。でも会話は英語。英語って便利なんですね。たいていの国の人とは話せちゃう。
このレッド・ピアノ、確か七時までに入店して食事を注文するとワンドリンク無料になるようだ。それを会計時に知って、たかだか150円くらいだけどサービスになってなんだかラッキーだった。
その後、「地球の歩き方」に唯一載っていた足つぼマッサージ屋へと向かう。
レッド・ピアノを出る前に地図を確認すると、偶然すぐそこだった。が、出た途端に、すっかり暗くなった空から大雨が降り出した。小走りでマッサージ屋に向かい、入ろうとするが、中を見ると誰もいない。怪しいのか。いや、どこの店だって怪しくは見えるぞ。とにかく、ちょっと一人で入る勇気がない。とはいえ、バケツを引っくり返したような大雨。
トゥククトゥクは屋根の用意をし、観光客たちは小走りで姿を消し、流れる雨水だけが路面を覆っていた。とりあえず店の軒先で雨宿りをしつつ、中の様子をうかがう。
誰もいないので暇そうなスタッフたち10人ほどが、皆ケータイをいじっている。こっちの国は、どの店もそう。
10分経過、雨はやまない。15分経過、雨はやまない。
・・・よし、入ろう。
中に入れば、なんてことはない。店員は気さくだし、思ったよりはきれい。それにオレに続いたのか、その後、続々と客が入り、あっという間に満員に・・・。
フットマッサージを頼み、料金は1時間で5ドル、約500円ちょい、激安です。ただ、担当したお姉さん、技術があるのかないのか、めちゃくちゃ痛い!!握力すんげえ! 時折罰ゲームのような痛さでやられ、早く終わってくれと願いながら「痛い、痛い」と漏らし「イタイ?」「痛い!」「ハハハ」という奇妙な会話を笑顔で交わしながら終了。
足つぼ系マッサージにはもう来るまいと誓った。。。
ただ、ここは東南アジア。いや、日本もその道を辿ってきたわけなんだが、観光で発展した背景には、性風俗が大きく存在している。夜の繁華街を歩いていると現地の着飾った女の子を色んな国のおっさんたちが連れている。表向きはマッサージ屋とか飲み屋とかだけど、実際は女の子を買うお店になっている。
オレはそんな勇気もないし、そういう金はもったいないと思ってるたちなので、その域には入らないが、現地の人と話してみたいと思っている。
コンビニに寄って、ホテルへ戻ると、なんとホテルの目の前にマッサージ屋があることに気づく。しかも安い。フットマッサージだと1時間3ドル。激安!!明日はここにチャレンジしてみることにした。
そのお店で、とある女の子に出会った。
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