2016年 7月10日 (日)
群馬県南牧村 四つ又山
この地名だけ見ると、
やはり「金田一少年」の殺人事件
が起こりそうな名前だ。
実際、南牧村の奥深くへ行くと、この集落は息絶えてしまったんじゃないかと思うくらい静かで、誰も見かけない。でも、家々には確かに生活感がある。
ここは鹿岳(かなたけ)、四つ又山、と連山になっているため朝から時間をかければ二つの山を行けるわけだが、今回登山開始が12時なもんで、四つ又山だけにする 。
大久保登山口はグーグルナビで「甘楽郡南牧村 大塩沢1445」で案内できる。
大久保登山口 私有地駐車場 - 12:00
分岐 - 12:30
大天狗分岐 - 12:45
四つ又山 山頂(お昼) - 13:00
マメガタ峠分岐 下山方面 - 14:20
大久保登山口 帰着 - 15:00
登山時間 約3時間(休憩含む)
ここを車で登っていくと私有地の登山口駐車場がある。
村管理ではなく、村民の方の私有地に駐車許可の立て看板がある。
ありがたいことです。
他に車がない。本日の登山者はオレだけのようだ。
ドラクエのモンスターのような、、、
いや、 ディズニーのキャラのような木製マスコットが置いてある。
この右の道を沢に沿って登っていく。
山へ来て、沢があると本当に気持ちが良い。 頭上の、新緑から降り注ぐ木漏れ日がゆらりゆらりと地面を照らし、登山道をいっそう魅力あるものに映す。 その光線が沢の水面に反射し、オレは少し目を細めながら進んだ。
森の中、360度誰もいない。 この「絶対的ひとり」がたまらない。 こんな孤高の境地は、マイナーな山か、誰もが寝静まった街頭のみの真夜中の通りしか味わえない。 どちらもまた違った味わいがある。
だけど四つ又山、この「大久保登山口」で行くと上り坂が、急!!! すっげ~急!! しかも、道も肩幅もない。土がやわらかいからどんどん崩れる。 時折、木々の隙間から見える青空を目に、休憩をしつつ、登り続ける。 道らしき道が最近の雨で崩れているため、どこをどう進んでよいか分からない。
すぐ最初の分岐を右方向、四つ又山方面へ。
続いて、大天狗分岐(尾根)を四つ又山方向へ。
石碑には昭和三十四年 三月と刻まれている。
山頂には、天狗様が待っていた。
おそらくそうだと思うが、前橋の県庁32階建てビルが見える。大展望だ。
その絶景を言葉もなく、ただしばらく見つめた。 反対側には、すぐ向かいに鹿岳がそびえている。
やはり、本当に登れるのかと思うくらいの絶壁を有している。 誰もいない山頂で、遙か遠くを眺めながらお昼を食べる。
至福の時だ。
四つ又山を一周するように、往路とは別のルートで下山開始。 急斜面が続く。
すると、10数メートル前方の木々の向こうから何やら話し声が聞こえる。 姿はまだ見えない。
まさか、、、
旧日本兵の生き残りか?
グアムで太平洋戦争遺跡を巡った光景が目に浮かぶ。(アメブロ参照)
ドラマや映画で描かれるままの南国の密林が、まだそこに広がっていた。 発見された横井庄一さんはそこで戦後28年間も潜伏し続けた。
高齢化率日本一の秘境、
いや、魔境、、、
いや、、、、
超大手ゲーム会社カプコンが空前の大ヒットをさせたゲーム「魔界村」のモデルにしたともしてないとも言われてもおかしくない「南牧村」の山奥に旧日本兵が潜んでいてもおかしくはない。
いや、、、 おかしいか。
むしろ、オレがおかしい。
我に返ると、3人の山ガールが木の陰から現れた。年齢もまだ20代だろう。
(イメージ画像)
年配ハイカーと比べるとその格好は、ずいぶんチャラく見えてしまう。一人は、まるでここがリゾート地グアムかのようなサングラスをかけていて素顔は不明。 もし、その時、オレの中の悪魔が目覚めていたならば他に誰もいない山中で彼女らを卑猥に襲っていただろう。そしてその犯行は迷宮入りだ。 しかし、オレは社会人として模範的なほどの紳士的マナーと渋い声で、 「こんにちは」 と挨拶をするのだった。
彼女らは時間的に考えてもおそらく、鹿岳から登り、いったん下りてまたこちらに来たのだろう。 女子3人でこんなマイナーな急斜面の山を登るのだからよっぽど慣れているのか。
しかしすれ違ったあと、何度も「キャーこわい~」という声がオレの背後から聞こえてきた。あの斜面では無理もない。
いや、待て。。。
オレは、そこでピタリと足を止めた。
この山には、オレとあの子ら三人しかいない。
まさか、、、
そう、、、その、まさかだ。
あの叫び声はオレに助けにきてほしいという合図なのか?
汗がオレの額をつたってポタリと地面にたれる。
いや、待て!
だったら「助けて〜」と叫べばいいはず。
そうか、罠か?
オレを誘惑し、おびき寄せておいて、金を奪う気か?
という、「クソどうでもいい妄想」をしながら「マメガタ峠分岐」を大久保登山口方向へと下る。
分岐(鹿岳と四つ又山の中間)T字路
ジュラ紀のような密林、地面にはコケだらけ。聞こえる音は沢の水の音だけ。 モンスターが出てきてもおかしくないような雰囲気だ。
しばし、少年期のような、冒険している気分に浸る。
登山口に帰着すると、あの女子3人組とまた遭遇した。
(イメージ画像)
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