ミャンマーThe last frontier in Asia. Travel in Myanmar.Part ④ Good-bye,Mandalay さよなら、マンダレー。また会おうぜ。ばかやろう。

18-year-old  boy I met in the hotel, Nylon Hotel in Mandalay.

He is very nice , kind and cool and have power to change his life.  

 He's still 18 but ...he would be able to do what he want to do.  His eyes have strong lights in it.

thanks for talking with me.  See ya again!! 



マンダレーを去る日、朝。  


朝食会場といっても、フロント前にスペースを作ってテーブルを並べただけの簡単な場所。  ビュッフェと言っても数品しかない。小さな虫が飛んでいて、なにか漬物のようなものにたくさんくっついている。テーブルに飛んでいるが、誰も気にしないし、オレも気にしない。


オレはパンとソーセージだけを皿に取って、席についた。  

昨日の青年が、いた。


他の若い従業員はフロントに座ってケータイをいじっているが、彼だけは料理の並びを整えたり、皿やコーヒカップを綺麗に並べ替えていたり、そういった細かいことを行っていた。

真面目なんだ。 やっぱり、どこか自分に似ている。 真面目にしなきゃいけないことは、ちゃんとしたい。かつてのバンドメンバーにも似ている。音楽をやっていると、チャラいと言われてしまうようなところもあるけれど、真面目で努力ができないと音楽はできない。そもそも楽器が覚えられず、機材の使い方も覚えない。

 彼が、オレに気付いて、

 「オハ、、、ヨウ、、ゴザイ、、マス」 

 ぎこちないが、彼はまだ覚えてくれていたようだ。次に来る日本人に使ってくれるといいが。        


朝食のあと、部屋でバックパックを整理していると、ケータイが鳴った。 


ナンナンだった。

 

「おはよう。大丈夫? 何も問題ない? 今日のバスはホテルに12時だからね。もし迎えこなかったらすぐ電話してね」 


 マンダレーからバガンへと向かうOK Express bus というバスがホテルに迎えに来ることになっている。

約五時間のバス旅。

泊まる予定の、バガンのゲストハウス前で降ろしてくれるという便利なバスだ。

料金9000チャット。約800円。 


 「ナンナンはこれから仕事? 頑張ってね」  


午前中は、歩いてダウンタウンを回る。11時半にはホテルに戻る予定。  


出かける前にホテル前でタバコを吸っていると、おそらく中国人であろう家族がぞろぞろと出てきた。異常にでかい荷物ケースをいくつも持っている。 あの青年を含め、若い従業員が客の荷物を抱え、迎えにきた車に積んでいた。 こんな風に、彼はまたここでの一日をこなしていくんだろう。


    地元の人が集まるマーケットがあるらしいので、歩いて向かう。

イギリス領時代の時計塔があった。  


朝イチだからだろうか、夜にはなにもなかった通りに人、物、車が溢れ、歩くにも大変な状況と様変わりしていた。  


ミャンマーには日本の中古車、あるいは廃車になったものが輸入されて、日本車だらけ。

そのためか、歩いていてちょっと安心できる。


京王バス、って。。。



市場には野菜、肉、フルーツ、米などあらゆる食料品がならび、何もかもがめちゃくちゃにごった返した雰囲気はインドにも似ている。まあ、隣り、インドだしな。  そもそも、ごちゃごちゃに見えるのはオレがここが初めてだからであって、地元に人にとっては商売、店の境界線は守られているのだろう。  


1時間ほど市場を見て回り、適当に歩いていたら通りの先にパゴダの先端が見えたので向かってみる。  

周囲を2メートルもの高さの壁にずっと囲まれていて、どこに入り口があるか分からない。壁に沿って歩いているとようやく門を見つけた。オッチャンがいたので、入っていいのか、聞いてみると親切にも「どうぞ、どうぞ、サンダルは手に持って入ってな」と招いてくれた。 


 ガイドブックで位置を確認すると、どうやら「エインドーヤーパゴダ」らしい。


通路を歩き、敷地中心部へ向かう。  


平日の朝だからだろうか、人気がほとんどない。のんびり見て回れそうだ。  




お祈りをしている人を見かける。    


初めは興味深く見つめていたが、徐々にその様に引き込まれていく。  祈りをする、その一連の動作に、何だろう、美しさのようなものを感じようになった。


日本では二礼二拍手一礼という、早い人なら15秒程度で終わってしまうじつに簡単なお祈り作法があるがミャンマーでは、ひざまずいて、合掌を頭の上に上げ、その後、土下座のように地面に両手と頭をつけて、上げたと思ったらまた合掌する。そして、口を動かして何かをずっとつぶやく。    


日本人が見えないものに祈るのは、正月、初詣くらいか。

もはやそれさえもイベント化してきていて、いちいちおみくじに一喜一憂する光景にはオレは違和感さえ感じる。  


「一応」仏教徒という設定の日本、そしてオレも。  日本では仏教行事ははイベント的、あるいは表面的に行われているだけだ。  無神教の国、日本が他の国から見たら異色に映るのも無理はない。  海外を旅するようになって、宗教の違いにも興味を抱くようにもなった。  日常生活の中に自然と溶け込んでいる祈り。日本にはないそれに、美しいと感じるのは、本来自然のことなんだろうと思う。  そういえば、ヤンゴンのシュエダゴン・パゴダでシィーが言っていた。 「どの家にも、神棚があって毎日祈るのだと。ぼくの家にもあるんだ。」と。    



広い境内を裸足で歩いて回り、門へと戻る。  

招いてくれたオッチャンがまだいて、笑顔で「どうだった?」と英語で聞いてくれる。

コミュニケーションと取ろうとしてくれることが嬉しい、さらにオッチャンは、

 

 「川は見たか? 」  と言う。 


 「川?」 

「エーヤワディ川だ。 あそこの交差点を、左に曲がって、まっすぐ行くと川に出る。 見ていくといい。船がたくさん並んでいるよ」  

オッチャンが、大通りの方を指差した。

ガイドブックの地図を見ると、確かに川がある。時間はまだあった。距離は2キロ近くあったが歩いて行ってみることに。 


 「左ね。分かった。言ってみるよ。チーズィンティーパディー」  

覚えたてのミャンマー語で「ありがとう」とオッチャンに言った。なんとか通じたようだ。満面の笑顔が印象的なオッチャンだった。  


大通りに出る。信号もセンターラインもない道を、暗黙の交通ルールで車、バイクが行き交っていた。道の両側には油にまみれた部品が並ぶ車やバイクの修理屋からタバコ屋、小ぎれいなレストランまでなんでも並んでいる。  

そんな通りを15分ほど歩くと、緩やかな登りになり、そこを上がると川が見えた。  


確かに川なんだけれど、色が茶色に濁り、まるで大雨のあとのようだ。しかしこれが日常の色なんだろう。  その川の上に、木製の、ぶっ壊れてしまいそうな船がいくつか並んでいる。中には川をクルーズでもするのか、客船があり、日本の「秩父鉄道観光バス」から欧米人が数人降りてきて、その客船に乗っていった。  




洗濯をしている女性たち。  



川辺の砂場には、日本の70年前の大戦後の復興かと思わせるような、竹やベニヤで出来ているような高床式の家がずらっと並び、どうやら家族が生活しているようだった。    こんな家で本当に生活しているのか、と疑いたくなるような家ともいえない小屋が密集している。    これがもしスラムならば危険なのだろうが、これらがこのあたりの人々の一般的な家屋であって、人々と目が合うと、微笑みを返してくれるから温かさを感じる。  




貨物船が着いたのか、多くの人がまるで餌を見つけた蟻の大群のように列をなして次から次へと荷物を運んでいた。 



 タイのチャオプラヤー川もそうだったが、世界各国、歴史的には船で荷物の運搬をすることによって船着き場は発展し、街が作られてきた。しかし他の交通網の発達によって、川辺の街は衰退するのだが、ここは今現在がリアルタイムで活気づいている。東南アジアの発展途上国の景色がここにはあった。  見れてよかった。あのオッチャンに感謝だ。    



再び歩いて戻る。ホテルに戻るべき時間のギリギリだったが、急ぎ足で王宮の堀だけをなんとか見に行き、11時半過ぎにホテルへ戻る。  



泊まった部屋。夜は涼しい季節だからよかったが、ミャンマーの雨季(夏)にでも来たら暑さと蚊で寝れないかもしれない。。。

右奥がトイレとシャワー。


あの青年が、各部屋のベッドシーツを回収して回っていた。チェックアウトする、と伝えるとオレの部屋の中を確認し、OKだと言った。    

 「バガンには何日間いるんですか?」 

「三日間だね。そのあとまたヤンゴンに戻るよ。」 

「ヤンゴンのあとは、日本へ戻るんですか?」 

「うん、そうだな」 

「よい、旅を」 

「ああ。 ありがとう」   



「そうだ。何かメモ紙はないか?」とたずねると彼が紙とペンを持ってきてくれた。  

ロビーで、彼に言葉を書くことにした。直接口で言うよりも、言葉は書いたほうがより伝わるとオレは思っている。 

ー 素晴らしいサービスをありがとう。君と話せて楽しかった。勉強しろよ。勉強だけがその人生を変えることができる。また会おう ー  

四つ折りにして、そこに僅かだけれどチップを挟んだ。出発前に渡そうと思った。   


外でのんびりタバコなんぞ吸っていたら、バガンへと向かうバスが予想外にきっちり12時前には迎えにきたので、あわててロビーに荷物を取りに行く。そして彼を呼び、メモを渡した。 

「君のサービスは本当によかった。ありがとう」 

きょとんとした顔で彼はそれを受けとった。 

「サンキュー」  なんだか分からぬ顔つきで彼はそう返した。  

オレが、手をあげて別れを伝えると、彼は微笑み、手を上げた。  

高校三年の、あの頃の自分に再会し、そしてさよならをするような、不思議な感覚。

マンダレーでの、小さな出会いだった。  


今この時間も彼は、あのホテルで働いているんだろうな。  

もう会うことはないだろう。 

でも、絶景写真でもない、豪華な食事でもない、彼との些細な会話は、確実にオレに何か残してくれた。

文章でしか残せない事実をここに残しておくよ。  それがきっかけで、これを読んだ誰かがマンダレーを訪れた時に「ナイロンホテル」に泊まり、彼と話すきっかけに繋がるかもしれないしね。    


出発前、フロント前にて。彼と。 

おかやんの「とりあえず何でもひとりでやってみる」ブログ。

やりたい事は悩みながらなんでもやってみる。結果的に楽しんでる!また、何かに特化して書いているわけではありません。 書きたいことをごった混ぜにしてネタをブチ混んで書いていますhttps://www.instagram.com/the_unending_world/?hl=ja

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